「田のことすれば畑が荒れる」ということわざを聞いた時、私は「田」ではなく「他」のことだと思って勘違いしていました。
「畑以外のこと」をすれば、畑が荒れるという意味だと思ったのです。
でも、「他のこと」ではなく「田のこと」だったのですね。
つまり田んぼのことです。
しかし、田のことと畑のことは同時にはできないものなのでしょうか。
「田のことすれば畑が荒れる」ということわざ通りだとすれば、そういうことになりますよね。
今回は「田のことすれば畑が荒れる」ということわざの意味や使い方、同じ意味のことわざについて解説します。
「田のことすれば畑が荒れる」とは
「田のことすれば畑が荒れる」ということわざは、
一方のことに気をとられていると、もう一方のことはおろそかになってしまう。
両方を同時にすることはできない。
という意味です。
言葉の通りですよね。
田の仕事に手をかければ、畑のほうに手が回らずに畑は荒れてしまうという農作業を例えに使ったことわざです。
現在では、田の仕事も畑の仕事も同時にすることは不可能ではないようです。
農機具の進化のおかげでしょう。
ですが、手作業が主だった時代には、田と畑を同時にすることは難しかったようです。
「田のことすれば畑が荒れる」の使い方
「田のことすれば畑が荒れる」の使い方を例文で見てみましょう。
韓国のドラマにまたハマちゃったよ。
最近また流行ってるよね。
でさ、ずっと前にも挑戦して挫折した韓国語の勉強をまた始めようと思ってるの。
ふむ・・。
それは良いことだと思うけどねぇ
なに?
だって、つい先月からオンライン英会話を始めたばかりだよね。
まあね。
でも韓国語は独学だから。
田のことすれば畑が荒れるって知ってる?
知らない~。
1度に2つのことを同時にすると、どちらかが上手くいかないって意味のことわざなの。
うう、耳が痛いかも。
どちらかに集中した方が早く上達すると思うけどな。
「田のことすれば畑が荒れる」ということわざは、このような使い方をします。
何でも興味を持って色々と手を出してしまう人への忠告には、ピッタリではないでしょうか。
「田のことすれば畑が荒れる」に類義する言葉
「田のことすれば畑が荒れる」ということわざと同じような意味を持つ言葉を集めてみました。
太鼓を打てば鉦が外れる
「太鼓を打てば鉦が外れる」は、同じように2つのことはできないということわざです。
太鼓を打つことに集中していると、もう一方の手で鳴らすはずの鉦が上手く打てずに外れてしまうという状態を表しています。
鉦(かね)というのは、小さな楽器で、金属で作らており、太鼓と同時にリズムを合わせて鳴らすものです。
太鼓と鉦を上手く同時に使えるようになるのは、どちらかに集中していては無理だということが由来になっています。
櫓を押して櫂は持たれぬ
櫓(ろ)とは、船をこぐための道具のことです。
櫂(かい)も同じく船を進ませるための道具のことです。
つまり、「櫓を押して櫂は持たれぬ」の意味は、同じことを同時に行うことは無理だということです。
櫓と櫂は、船を進ませる目的も同じものです。
片手で櫓を押して、片手で櫂を持つことはできないのですね。
まとめ
「田のことすれば畑が荒れる」ということわざは、同時に欲張ってしまうタイプの人が意味を知ると、胸がチクっとするかも知れませんね。
ですが、ほんとに同時進行でも上手くいく人もいるので、能力によるのではないでしょうか。
凡人の私には「田のことすれば畑が荒れる」ということわざの意味は胸に沁みました。