間違えやすい慣用句はいくつもあり、誤用されることが多い慣用句は、そのまま誤用が定着することがあります。
「目端が利く」と「目鼻が利く」もややこしいので、どちらが正しいのか聞かれると、自信を持って答えられない人も少なくないようです。
どちらが正しいのでしょうか。
目端が利くとは
「目端が利く」という慣用句の意味は、物事をよく見ているので機転が利くとか、抜け目がない(隙がない)というような意味で使われます。
目端とは、眼力ということですが、今の言葉の目ヂカラという意味ではありません。
見通すこと、見抜く力という意味です。
使い方の一例では、
「あの新しいバイトは、店の隅々まできちんと見ているから、すぐに気が付いて目端が利くね」という感じでしょう。
色んなことに気が付く人は、常に周りをよく観察しています。
いざという時に機転が利くのも、周りをよく見ているから気が付くことが多いのでしょう。
目端が利くとは、そんな意味で使われる慣用句です。
目鼻が利くとは
「目端が利く」とよく似た「目鼻が利く」ですが、このような慣用句は存在しません。
目端が利くというつもりで目鼻が利くと間違って使っている人もいるのですが、誤用でもなく、単なる間違いです。
「目が利く」とか「鼻が利く」という表現はあるので、ややこしいものです。
しかも「目鼻がつく」という慣用句もあるので、余計に間違えやすいのでしょうね。
目鼻がつくとは、概ねの見通しがつくことを意味する慣用句です。
この慣用句は、福笑いとか、絵を描く時に実感します。
目と鼻があれば、顔の90%はほぼ完成したようなものです。
口元だけを隠しても、目と鼻が見えれば、ほとんど顔はわかります。
完成していなくても、ほぼカタチが見えた状態のことを「目鼻がつく」というわけです。
「目鼻が利く」という慣用句はないので、間違えないようにしましょう。
目端が利くに似た言葉
目端が利くと同じように、機転が利いて、、抜け目なく、利発なことを表現する慣用句があります。
「目から鼻に抜ける」という慣用句です。
判断がスピーディーで、利発な様子を表現します。
「目端が利く」と似ていますが、「目から鼻に抜ける」という慣用句の方が、素早さが加わるので、より気が利いて、利発なことを表現しています。
いずれにしても、目というパーツが使われるのは、観察力があり、物事をよく見ていると、抜け目なく考えて動くことができるからでしょう。
まとめ
目端が利くことを目鼻が利くと間違えて使っていることに、気が付いてしない人も多いみたいです。
身体や顔のパーツを使ったことわざや慣用句はとても多いので、ゴチャゴチャになって間違えやすいので危ないですね。