箱入娘と聞くと、とても裕福な家庭のお嬢さんで、大切に育てられたというイメージではないでしょうか。
箱入娘イコールお金持ちのお嬢様というのが一般的に認識されているのではないでしょうか。
でも、ほんとは箱入娘の意味としてお金持ちのお嬢さんが合っているのか調べてみました。
箱入娘の語源とは
そもそも箱入娘って、現実的に箱に入っているわけではなく、箱にしまって人目に触れないように、そして壊されないように大切に育てられた娘さんのことです。
語源は、江戸時代にさかのぼります。
人目に触れさせない秘蔵のことを「はこいり」と呼んでいたことから、秘蔵品のように大切に育てた娘のことを箱入娘と言うようになったのです。
お金持ち限定ではない
冒頭にも書きましたが、世の中では箱入娘のことをお金持ちのお嬢様のことと同じ意味で受け取っている方が多いと思います。
でも、できるだけ人目に触れさせないように大切に育てるのは、お金持ちじゃなくてもできることです。
身分の違いがハッキリしていた時代ならお金持ちじゃなければ箱入娘として育てるのが難しかったかも知れませんが、今では裕福かどうかはあまり関係ありません。
中流家庭で育った女の子でも、アルバイトの経験もなく就職したりすると、「箱入娘だな」って言われたりしますから、家が裕福じゃなくても、箱入娘さんを育てることはできるわけです。
箱入娘は誉め言葉?
昔は箱入娘は、とても大切に育てられた純粋無垢な娘のこととして使っていました。
もちろん今も同じような意味で使われることもありますが、それよりも皮肉めいた意味で使われることが多くなっています。
世の中のことをほとんど見ないまま育ってしまったので、世間知らずで世の中の流れについていけないようなおっとりとした女性に対して「箱入娘だね」と少し嫌味のように使うことがあります。
昔のように、女の子は家の中のことを手伝って花嫁修業をして、一度も働くことなく結婚して家庭に入るなんてことはほとんどなくなっています。
今のような社会で正真正銘の箱入娘さんは少ないので、世間知らずだということを「箱入娘」という言葉で片付けているのでしょうね。
箱入娘に似た言葉
もともとは悪い意味で使われていなかった箱入娘ですが、嫌味として使われるのは残念ですよね。
それに、娘じゃなく息子の場合はどうなのでしょう。
箱入息子とは言いません。
同じような意味の言葉を探してみました。
「ぬるま湯育ちの~」
「純粋培養の~」
「無菌室育ち~」
などなど、箱入娘と同じような意味の表現は沢山あるのですね。
お坊ちゃん育ちには、「温室育ちだから弱いよね」とかよく使われています。
まとめ
箱入娘として育てられた人は、悪い大人に騙されやすかったりするので、社会勉強させないのは子供にとって良いことではありません。
心配だから、親がずっと守っていて箱入娘にしてしまったら、ちゃんと社会のことを教えてから自立させないよいけませんね。