【大欲は無欲に似たり】という言葉には2つの意味があるって?

ことばの意味

「大欲は無欲に似たり」という言葉の意味は1つではなく、2つの意味があると言われています。

大欲とは大きな欲のことです。

無欲とは欲のないことを言います。

大欲と無欲は相反する意味の言葉だと思うのですが、似ているというのはどういう意味なのか解説しましょう。

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「大欲は無欲に似たり」の意味①

「大欲は無欲に似たり」とは、大きな欲を持つ人は周囲にはどう見えているのか・・ということを表す意味があります。

大きな欲を持つ人は、大きな望みや夢を追いかけているので、小さな望みを気にかけないので、その様子がまるで欲のない人のように見えるからです。

たとえば、億万長者になろうとしている人は、小さな利益にはこだわりません。
少ない儲けにこだわっている暇もなく、大きな利益を求めるので、小さな儲けはサッサと人に譲ることもあります。

それは小さな儲けでも大切に考えている人から見ると、まるで欲がないように見えると思います。

そういう人の様子を「大欲は無欲に似たり」というのです。

また、似た意味の言葉として「大利は利ならず」というのがあります。

「大利は利ならず」とは、あまりに大きな利益は、利益と気が付かないことがあるという意味です。

大きな利益よりも、小さな利益の方が実感しやすいということなのでしょう。

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「大欲は無欲に似たり」の意味②

「大欲は無欲に似たり」の2つ目の意味は、1つ目とはかなり印象が違います。

欲張り過ぎてしまうと、欲に目がくらんでしまいます。
すると冷静に物事が判断できなくなって、大失敗して大損することも多いので、欲ばり過ぎると無欲な人と同じ結果になるという意味なのです。

「絶対に損はしないから」とか「何もしなくても倍に増える」などという甘い言葉に騙されて大金を失う人は、欲のために冷静に判断できなくなった結果だと言われます。

冷静に考えることができれば、絶対に損しないのにラクしてお金がどんどん増えるなんてあり得ません。

「そんなうまい話には裏があるはず」と怪しむでしょう。

怪しむよりも、欲が勝ってしまえば、欲のない人と同じ結果になるのです。

2つ目の意味の「大欲は無欲に似たり」に類義する言葉も見てみましょう。

二兎を追う者は一兎をも得ず

「二兎を追う者は一兎をも得ず」はよく聞きますよね。

うさぎをつかまえようとしている者が、二羽を同時に追いかければ、結局は一羽もつかまえられません。

欲張って同時に2つのことをしても、成功できないという意味の言葉です。

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虻蜂取らず

「虻蜂取らず」も「二兎を追う者は一兎をも得ず」と同じ意味です。

虻と蜂を両方とろうとしても、バラバラに飛んでいる虻と蜂をつかまえることはできません。

同時に2つのことをしても、失敗するだけなので、欲張ってはいけないという意味です。

欲に関係する「十分はこぼれる」についてもチェックしてみませんか。

まとめ

「大欲は無欲に似たり」の2つの意味を比べてみると、差があるように思います。

ですが、どちらの意味にしても、欲張りすぎるよりも、目の前の小さな利益の大切さを伝えているような気がします。

欲張るのも程々にして、小さな利益をコツコツと積み上げる人生も悪くないのではないでしょうか。