先入主となるとは、あまり耳馴染みの無いことわざです。
一般的にはほとんど使われないのですが、先入主となるということわざには、よく使われる先入観と似た意味があるようです。
先入主となるの意味を知ると、先入観という言葉の使い方もより理解しやすいのかも知れません。
先入主となる。
この言葉に込められた意味を解説します。
先入主となるの意味とは
先入主となるとは、先に入ったことが主となってしまうため、その後に見たり聞いたりしたものが入ってこなくなることです。
例えば、鳥はたまごからかえった時に最初に目に入ったものを親と思い込む習性があります。
もしも他の鳥や動物を見ても、親と思い込んでしまうと、本物の親鳥が表れても親と認められなくなることがあります。
このような習性のようなことが、人間の心理にも起こることがあるのです。
子供のころに教えられたことが固定観念となると、それ以外のことを受けいれることができなくなることがあると思います。
自由な発想や考え方が固定観念によってできなくなってしまうことを「先入主となる」というのです。
先入観のもとになる
先入観は、まさしく「先入主となる」がもとになって生まれた言葉です。
先に頭に入った固定観念のことを表す言葉で、先入観が強すぎることは良くない印象を与えます。
先入観が強いと新しい情報から柔軟に物事を考えることが難しくなるので、いわゆるガンコな性格の人ほど「先入主となる」ことがあります。
初対面の人に対して、血液型や星座、出身地や職業などでその人の性格や生活習慣を決めつけるような言い方をする人がいます。
「B型の人って変わり者が多いよね」とか「大阪の人って日常会話でもオチをつけるよね」など。
このようなことを言う人に対して「先入観が強い」ということがありますが、これは先入観からの偏見ですから質が悪いです。
先入主となりやすい人は、一度見聞きしたことをいつまでも信じてしまうので、騙されやすい一面もありますから、気をつけないと危ないですね。
まとめ
先入主となり、先入観が強い人は、情報を次々に入れることが苦手な面があります。
何しろ、先に入った情報が中心になってしまうので、後から入った情報はどこまでも主ではなく、その下に従うものになるからです。
しかし、学校の授業で教えていることも、時代が流れれば新しい情報に変わっています。
古い固定観念をいつまでも持ち続けるのも悪いことばかりではないですが、上書きできるもは新しく入れ替え、古いままにしないことが柔軟な考え方には必要だと思います。