「十分はこぼれる」という言葉の意味を知っていますか?
「十分」とは、不足していないことを表す言葉です。
なぜ不足していないと「こぼれる」ことになるのでしょうか。
「十分はこぼれる」という言葉の意味や使い方、類義する言葉を解説します。
「十分はこぼれる」の意味とは
「十分はこぼれる」という言葉には、
あまり欲張るよりも、ほどほどが良い。
という教えの意味があります。
「十分」とは、不足のない状態という意味です。
たとえば水を容器の容量いっぱいまで入れてしまえば、運ぶだけでこぼれてしまいます。
水は振動によって揺れるものなので、それを見越して容器に満タンに入れてもこぼれるだけだから、八分目くらいにしておきなさいということを教えているのです。
欲張っても、結果的にはこぼれてしまうのなら、はじめからこぼれない程度にしておけば、損することもありませんよね。
「十分はこぼれる」の使い方
「十分はこぼれる」の使い方を例文で見てみましょう。

ちょっと、食べ放題だからってそんなに山盛り持ってきてどうするの!

だって何度もとりに行くのもめんどくさいから。

それで食べ残したら追加料金発生するのよ。

そうなの?食べ放題だから、どれだけ盛ってもOKだと思ってた。

あなたみたいに欲張って、大量に盛る人がいるからペナルティあるんだよ。
「十分はこぼれる」って言うでしょ。

欲張るとダメってこと?

そうよ。
欲ばりすぎると、結局は損するってことなの。

気を付けます・・。
詰め放題とか食べ放題とか飲み放題など、○○放題になると欲張ってしまう人に使いたくなるのが「十分はこぼれる」ですね。
「十分はこぼれる」に類義する言葉
「十分はこぼれる」と似た意味を持つ言葉を集めてみました。
満は損を招く
「満は損を招く」は、満ち足りている者に対しての戒めの言葉です。
満ち足りた者にはおごりが生じて、それが損を招くという意味なのです。
八分は足らず十分はこぼれる
「八分は足らず十分はこぼれる」は、「十分はこぼれる」とほぼ同じです。
八分では足らないように感じるかも知れないけれど、十分でこぼれてしまうよりも、少し足らないくらいが丁度良いということです。
月満ちればすなわち欠く
「月満ちればすなわち欠く」とは、頂点まで達した後は、落ちるしかないという意味です。
満月になれば、あとは欠けていくように、人も頂点に達すれば後は落ちていきます。
完璧や絶頂を求め過ぎると、その後の衰えが待っているだけなので、あまり欲張らない方が良いということなのです。
「十分」と「充分」の違いについてはこちら
まとめ
人間の欲というのは限りがないものなので、十分を求めても、またさらに・・・と終わりがないのかも知れません。
ですが、欲張ってみたものの、結果的には程々で満足する人と同じくらいしか手にできないことが多いのではないでしょうか。
欲の塊になってしまいそうな時には「十分はこぼれる」という言葉を思い出してみましょう。