「準備」と」「用意」と」「支度」は、同じような意味なので、正しく使い分けるのが難しい言葉です。
あやふやなままで使っていると、間違っているのかさえわかりませんよね。
どれを使っても、とくにオカシナことにはならないのですが、同じ意味なのに3つの言葉があるのなら、やはり使い分けるルールがあるのでしょう。
同じような場面で使われることが多い3つの言葉について、解説したいと思います。
「準備」の使い方
「準備」とは、前もって必要なものを揃えたり、物事が上手くいくように整えることです。
「大丈夫、あんなに勉強して準備してきたんだから」
「成功できたのも、スタッフの準備が完璧だったおかげだ」
このような会話の中で使うことばです。
下準備とか準備万端など、成功のためには、あらかじめ整えておくことが大切だという意味の言葉もあります。
「準備」の使い方としては、準備したことが発揮されるのが、直後ではなく、ある程度の時間がある場合に使うのがポイントです。
明日の準備、来月の準備、来年の準備など、先を見越して整えるという意味で使われるのです。
さらに、必要な品物などを揃えることの他に、精神面の状態を表す時にも使います。
「心の準備はできている」という表現がまさにそれにあたります。
「用意」の使い方
「用意」とは、物事にすぐにとりかかれるように、前もって整えていくことです。
「準備」とほぼ同じ意味なのですが、ポイントは「すぐにとりかかれるように」です。
準備よりも、スタートまでの時間が短い場合には「用意」を使うのです。
運動会などで「よーい、ドン」とスタートの合図をします。
今すぐに走り出す用意ができていないとスタートできませんよね。
「もうすぐお客さんが来ちゃうけど、用意できている?」
「もうすぐお客さんが来ちゃうけど、準備できている?」
この場合、どちらを使っても構わないのですが、直後のために整えたので「用意」の方が合っているのです。
また、「準備」とは違い、「用意」は精神面には使われません。
「心の用意はできている」とは言いませんからね。
「用意」が「準備」と違う点は、品物などを揃えるなど、物に対する場合に使います。
「支度」の使い方
「支度」とは、物事を実行するにあたり、必要なものを揃えたり、整えたりすることです。
やはり「準備」と「用意」と同じ意味です。
ただし「支度」は目的が限定されています。
「食事の支度」は食材を調理して食べるまでの作業のこと。
「冬支度」は寒い冬を迎える前に準備する作業のこと。
「帰り支度」は作業を終えて帰るために行うこと。
このように、「支度」に関して言えば、ハッキリとした目的をもって行うことなので、「用意」や「準備」よりも限られた場面で使う言葉なのです。
まとめ
「準備」と「用意」と「支度」は、どれも大きな違いがありません。
意味はほぼ同じと言ってもいいでしょう。
それだけに、正しく使い分けるのは難しいと思います。
物事が開始されるまでの時間が短い場合や、物品を揃えることは「用意」を。
物事が開始されるまでの時間に猶予がある場合や、精神面に対しては「準備」を。
はっきりとした目的のために行うことは「支度」です。
このポイントをおさえておきましょう。