「もう十分だよ」と「もう充分だよ」。
「十分」と「充分」は、どちらも同じ意味の言葉として使っていると思います。
ですが、2つの言葉があるのですから、まったく同じ意味ではなく、使い分けるポイントがあるはずです。
「十分」と「充分」を正しく使い分けられているのは、どのくらいの割合なのかわかりません。
私自身も怪しいので、正しく使い分けられていないと思います。
きちんと使い分けるポイントを頭に入れておけば、今後は迷うこともないはずです。
今回は「十分」と「充分」の使い分け方について解説します。
「十分」と「充分」の違い
「十分」と「充分」は、どちらも同じ意味の言葉として使われています。
条件が満たされている。
これ以上は何も言うことがない。
望み通りになった。
このような意味です。
では、違いとは?
それは、「十分」は辞書に載っているけれど「充分」は載っていないという点です。
「充分」が載っている辞書も探せばあるのかも知れませんが、国語辞典をいくつか確認してみると、「十分」しか載っていませんでした。
なぜ「十分」だけしか国語辞典に載っていないのか不思議に思いますよね。
その理由は、「充分」というのは当て字であり、もともとは「十分」しかなかったのです。
条件が満たされて、もう何も言うことがない状態を表す言葉としては「十分」を使えばいいのです。
「十分」と「充分」の使い分け方
「十分」と「充分」の2つの表現があるので、どちらを使おうか迷ってしまうのですから、「十分」だけで統一すればスッキリするのに・・・と個人的には思うのです。
ですが、すでに世の中には「十分」と「充分」の2つの言葉が広まっているので、今さら統一するのも難しいのでしょう。
ということで、正しく使い分けるポイントを解説します。
使い分けるポイントとしては、条件が満たされてこれ以上は言うことがない状態を表す時に数字で示せるかどうかです。
「今月の売り上げはすでに十分です」
「今日の収穫量は先月の倍近いので十分な結果だ」
このように、満たされたことを数字で表せる場合は「十分」を使います。
「もうあなたの気持ちは充分に伝わりましたよ」
「私は充分幸せな人生だったと思います」
このように、数字で表すことはできないけれど、精神面で満たされたことを伝える時には「充分」を使います。
数字では表せない=「充分」
このポイントをおさえておくと、使い分ける時に迷わなくなりますね。
まとめ
「十分」と「充分」の使い分けるポイントを理解しても、どちらを使えばいいのか迷ってしまうような時や、公式の文書などには「十分」を使っておきましょう。
「充分」は後に生まれた当て字なので、迷った時は「十分」で統一しても問題ないのです。