「お茶をにごす」という言葉は、その場の空気を変えるためにごまかす時などに使われます。
でも、なぜその場の空気を変えてごまかすことを「お茶をにごす」というようになったのでしょうか。
とくに疑問に思わずに使っている言葉だと思いますが、由来まではわからないまま使っていますよね。
語源はどんなところからきたのか、疑問だったので調べてみました。
「お茶をにごす」の意味や語源、使い方について解説します。
「お茶をにごす」とは
「お茶をにごす」は、
その場しのぎに適当なことを言ってごまかすこと。
または、いい加減なことを言ってその場をとりつくろうこと。
このような意味があります。
「お茶をにごす」とは、聞かれたくないことをごまかすために逃げるような様子のこととして使う人もいます。
答えをはぐらかすために適当なことを言って逃げることも含まれるので、間違いではありません。
「お茶をにごす」の語源とは
なぜその場しのぎに適当なことを言ってごまかすことを、「お茶をにごす」と表現するようになったのでしょうか。
この言葉の語源は、まさにお茶に関係しています。
茶道の作法を知らない物が、茶碗に抹茶とお湯を入れて、適当にかき混ぜてごまかしたことが由来です。
茶道には、細かい作法があるのですが、その作法を知らないのに、見様見真似で適当にしてごまかそうとする様子が語源になったのですね。
「お茶をにごす」の使い方
「お茶をにごす」の使い方を例文で見てみましょう。
先週は本社で研修だったよね
よくわかんないけど、マナー講師とか来て色々やったよ
お疲れ~
でもね、講師にビジネスマナーについていくつか質問したんだけど、ちゃんと答えてもらえなかった
そうなんだ。
マナーのイロハは知らないまま教えている感じだ
ちゃんと理由を教えてくれないと、理解できないじゃない
そうだね
質問すると、何か適当なこと言ってお茶をにごされてしまった
まあ、うちの社が呼べる講師はその程度かもなぁ
例文のように、自分自身で「お茶をにごす」と使うよりも、人に対して使うことが多いですね。
「お茶をひく」という言葉もある
「お茶をにごす」は、一般的にもよく使う言葉ですが、「お茶をひく」という言葉もあるのをご存知でしょうか。
「お茶をひく」とは、水商売などでお客が来なくて暇な状態を表します。
なぜお客が来なくて暇なことを「お茶をひく」というようになったのか、その由来は芸者や遊女などの業界用語でした。
お座敷に呼ばれない芸者や、お客がつかない遊女には、石臼でお茶を挽かせていたのです。
お座敷や料亭、旅館などから生まれた業界用語がもとになった「下駄をあずける」という言葉の意味もあります。
暇を持て余して遊ばせておくわけにはいかないので、何か仕事をさせないといけないので、お茶を挽かせたことが「お茶をひく」の語源です。
今の水商売は、暇だからお茶を挽かせることはないですが、掃除や洗い物などの雑用をさせてたりすることも多いので、同じことなのでしょう。
「お茶の子さいさい」の意味は?
お茶にまつわる言葉は他にも沢山あるのですが、「お茶の子さいさい」も意味や由来がわからないまま使われている言葉ではないでしょうか。
「お茶の子さいさい」は、「簡単」とか「手軽」という意味で使われます。
「私にかかればそれくらいはお茶の子さいさいよ」というような使い方をしますね。
この言葉の語源はお茶に添えられるお菓子のことを「お茶の子」と呼ぶことが由来になっています。
お茶菓子は、満腹になるものではなく、軽く食べられるものです。
また、簡単に用意できるということもあり、手軽で簡単なことを表す言葉として「お茶の子さいさい」と言われるようになったようです。
「さいさい」というのは、単なる囃子言葉なので、意味はありません。
いかにも簡単なことをより強調するために「さいさい」が付けられたのでしょう。
まとめ
「お茶をにごす」とは、知らないものが知っているようなフリをして、適当にその場しのぎをしてごまかすことです。
お作法を知らない者が適当にできることじゃないのですが、そのくらい適当なごまかし方をすることを表す言葉なのですね。