「切り盛りは任せている」とか「家計の切り盛りが上手い」など、「切り盛り」という言葉はよく使われます。
この言葉の意味を間違えて使う人はいないと思いますが、なぜ「切り盛り」という言葉が使われるようになったのか、その由来まではあまり知られていません。
そこで今回は、「切り盛り」の語源や、同じような意味として使われる「やりくり」との違いについて調べています。
よく使う言葉なので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
「切り盛り」の意味
「切り盛り」の意味は、
物事を上手く処理すること
です。
とくにお金に関することで使われることが多いですね。
たとえば、
「お店の経営状態が悪いのは、店主の切り盛りが下手だから」
「切り盛りが上手な女性と結婚したおかげでお金が貯められた」
このようなに使います。
「切り盛り」の語源
「切り盛り」という言葉が、なぜお金に関することで使われるようになったのか疑問に思いませんか?
その疑問は語源を知ると、解けるはずです。
「切り盛り」とは、調理の世界で使われる言葉です。
文字通り、切ったものをお皿に盛りつけることです。
台所を任される人は、限られた食材を使って、人数分の料理を作らなければいけません。
そして、それを均等に切り、盛り分けることができることが求められるのです。
それが上手くできる人は、才覚があると認められたわけです。
たしかに、同じ食費を使っても、満足できる料理を作れる人もいれば、そうじゃない人もいます。
台所を預かる人の才覚次第で、家計がラクになることもあるわけです。
そういうことから、台所から生まれた「切り盛り」が、経済に関する言葉として使われるようになったのでしょう。
「やりくり」との違い
「切り盛り」という言葉は、「やりくり」という言葉と同じように使われています。
「切り盛りが上手ね」と「やりくりが上手ね」は、同じことを表していると思いますよね。
でも念のため、「やりくり」の意味も調べておきましょう。
「やりくり」とは
足らないものを、何とか工夫をして都合をつけること
という意味です。
限られたものを上手く振り分ける「切り盛り」よりも、厳しい状況を乗り越えることを表しているのです。
とは言え、そこまで細かく考えて使い分けることもないので、同じ意味として使っても間違いではありません。
「お手盛り」という言葉もある
「切り盛り」の語源について調べていると、「お手盛り」という言葉が目に入ってきました。
これもお金に関係することなのか・・と疑問に思いましたので、「お手盛り」の意味についても調べてみました。
「お手盛り」とは、自分の食べるものを自分自身で盛り付けることです。
つまりセルフサービスです。
自分で好きなだけ盛り付けられるのがセルフサービスの魅力ですよね。
「お手盛り」は、
自分の地位や立場を利用して、自分が得する結果に取り計らうこと
という自分勝手な人を、批判する言葉として使われています。
とくに役人や政治家などが、自分たちの都合の良いような法律や政策を作ることなどを痛烈に批判する時に「お手盛り」を使うことが多いようです。
まとめ
「切り盛り」は「やりくり」と同じ意味と考えて問題ありませんでした。
基本的には同じですが、会社やお店などの経営に「切り盛り」を使い、家計のことは「やりくり」を使うことが多いようです。