「志は木の葉に包む」という言葉を聞いたことがありますか?
古くから使われてきたことわざでもあるのですが、今の時代を生きる人たちには通用しないのではないでしょうか。
では、どのくらいの世代の人なら「志は木の葉に包む」の意味が理解できるのか、試しに身近な60歳オーバーの2人に聞いてみましたが、62歳の女性も65歳の男性も「知らない」と言われました。
たまたま私が質問した人が知らなかっただけなのかも知れませんが、このままでは忘れ去られて消える言葉のような気がします。
そこで今回は「志は木の葉に包む」の意味や類義する言葉について解説したいと思います。
「志は木の葉に包む」とは
「志は木の葉に包む」とは、
たとえ木の葉で包むようなささやかなものでも、贈る人の真心がこもっていれば、それは立派な贈り物になる。
という意味のことわざです。
「木の葉」を「笹の葉」や「松の葉」に変えた言葉もありますが、伝えようとする意味は同じです。
どんなにささやかな物でも、贈り物というのは贈る人がどれだけ心を込めているかが重要だということを伝えているわけですね。
私はこのことわざを聞いた時に思い出したのが、「となりのトトロ」です。
さつきとめいが雨の降るで、父親の帰りをバス停で待っている間に、トトロが2人の隣に表れます。
雨が降っているので、さつきは父親の傘をトトロに貸してあげます。
そのお礼にトトロが木の葉に包んだものを手渡します。
その木の葉に包まれていたのは木の実でした。
それを庭に埋めて、芽が出るのを2人は毎日楽しみにしている様子が何とも微笑ましくて・・。
木の葉に包まれた木の実の贈り物でも、トトロがくれるたものなら、何だかスゴイものだと思ってしまいますよね。
でも、それは相手がトトロだからではなく、お礼の気持ちが込められていることが大切なんだと教えられたシーンでした。
「志は木の葉に包む」という言葉の意味を知って、そのシーンを思い出す人が他にいれば嬉しいですね。
「志は木の葉に包む」の類義語
「志は木の葉に包む」と意味が重なる言葉をいくつか見つけたのでご紹介します。
志は髪の筋
「志は髪の筋」とは、「志は木の葉に包む」のは逆に受け取る側に対する言葉です。
志がまるで髪の筋のようにわずかなものだったとしても、贈る人の真心が込められたものならば、受け取る側はその気持ちをくみ取りなさいという教訓的な言葉です。
真心がこもった贈り物でも、わずかなものをありがたく思わないのは、贈った人に失礼だという教えなのですね。
誠は韮の葉に包め
「誠は韮の葉に包め」という言葉は、「志は木の葉に包む」と同じように、真心がこもっていれば喜ばれるものだという意味で使われることが多いようです。
また、韮の葉はどこにでも生えると言われたことから、たとえどこにでもあるようなものでも、誠の心を持って贈れば喜ばれるという意味でもあるようです。
まとめ
「志は木の葉に包む」とは、人に気持ちを伝えるために贈り物を考える上で、とても参考になると思います。
金額とか、見栄えとかではなく、自分が相手の気持ちを考えて真心を込めて選ぶことが大切なのではないでしょうか。