【順延】と【延期】を同じ意味として使うのは間違い?使い分け方とは

ことばの雑学

「運動会は雨天順延とします」と「運動会は雨天延期とします」の2つの文章の違いの意味がわかりますか?

はっきり違いを理解して使い分けられる人の割合は過半数以下だと言われています。

運動会とか遠足など、お天気に左右されるイベント事には、よく使われる「順延」や「延期」です。

どちらでも意味は通じそうなものですが、細かいことを言えば意味が違うのです。

迷いやすい2つの言葉なので、ハッキリさせておきましょう。

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「順延」と「延期」は同じではない

「順延」と「延期」を正しく使い分けられる人は、予想よりも少ないので、今までにも間違った使い方を目にしても、疑問を抱くことも少なかったのではないでしょうか。

「順延します」と「延期します」とでは、意味が同じではないとすれば、具体的な違いを理解しておかないと使い分けられませんね。

2つの言葉の違いについて見ていきましょう。

「2日後に順延します」は正しい?

「運動会は雨天のため2日後に順延します」という文章を見れば、ほとんどの人は違和感を抱くことはないと思います。

ですが、この場合は「運動会は雨天のため2日後に延期します」が正しいのです。

いったいどうしてなのかよくわからないですよね。

そこが「順延」と「延期」の違いなのです。

「順延」とは

「運動会は雨天順延にします。」という「順延」は予定を順に延ばすという意味の言葉です。

つまり、運動会の予定は土曜日だったとします。

もしも土曜日が雨天の場合は次の日曜日に延ばし、さらに日曜日が雨天だった場合には月曜日にと順に伸ばすことなのです。

次の日に限ったことではなく、翌週の同じ曜日、さらに翌週の同じ曜日と順に延ばすことが「順延」なのです。

「延期」とは

「運動会は雨天の場合は延期します。」という文章には、次の予定の日時は書かれていません。

ですが「延期」というのは予定を伸ばして仕切り直すという意味あがるので、次の日程が決まっていなくても「延期」で間違いないのです。

「2日後に延期」のように、次の予定が決まっている場合でも順に延ばすわけではないので「延期」を使うので、「延期」の方が使う幅が広いのです。

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「順延」と「延期」を使い分けるポイント

「順延」は順に先に予定を伸ばすこと。

「延期」は予定を仕切り直すこと。

この2つの言葉の違いを理解して、正しく使い分けるのは難しいですよね。

たとえば、こんなケースもあります。

「土曜日の運動会は雨天の場合は日曜日に行います。日曜日も雨天だった場合は改めてお知らせします。」

このような場合はどうすればいいの?って思いますよね。

土曜日から翌日の日曜日に延ばすのは「順延」のような気がします。

でも日曜日も雨だった場合は、次の日程はまだ決められていないのです。

とても迷うところですが、この場合は「延期」を使います。

土曜日の運動会の予備日として日曜日が決まっていますが、その予備日も雨天だった場合は日時が決まっていないので「延期」なのです。

使い分けるポイントとしては、規則的に延ばすことを「順延」といい、ただ先に延ばすだけなら「延期」を使えば迷わないはずです。

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「延長」はまた違う?

「順延」と「延期」とはまた別に、「延長」という言葉もありますよね。

「休業期間を延長する」とか「工事区間を延長する」など、「延ばす」という意味では「順延」や「延期」とは違い、かなり幅広く使います。

「延長」は、期間、区間、時間、線などの長さなどを延ばす、延びることすべてに使えるのです。

[https://kotobanogimon.life/?p=2482]

まとめ

「順延」と「延期」は様々なイベントで使われる言葉です。

自分が主催者となる場合は、どちらを使うのか迷わないように、違いを理解しておきましょう。

地域の行事、学校行事など身近なところで使うので、おぼえておくと役に立つ時もあると思います。