「たまげる」と言えば、東北地方の方言だと思い込んでいる方が多いようです。
「たまげた」とか「たまげる」は、驚きを表現する言葉というのはよく知られています。
インパクトのある方言として、広く知られているだけだと思われているのです。
その割には、意味もほとんどの人が理解しているのが不思議ですよね。
なぜなら、「たまげる」は方言ではなく、日本全国で使われていた言葉だったからなのです。
まさか!方言じゃないなんて!
と驚く人が沢山いると思います。
まさにたまげてしまいますよね。
今回は「たまげる」が方言ではないという疑問について調べてみました。
語源や由来など、「たまげる」の疑問を解明しようと思います。
「たまげる」は方言ではない
「たまげる」の意味は、驚くことで間違いありません。
ただ、驚くことを「たまげる」とか「たまげた」と使うのは、田舎のご高齢の方たちというイメージが強いので、方言だと思われています。
ですが、ほんとに方言ではないのです。
もともと使われていた言葉で、同じく驚きを表現する「びっくり」よりもずっと古くから使われていた言葉なのです。
一説には、室町時代にはすでに使われていたとも言われていますし、江戸時代には広く使われていたのです。
現在は若い世代ではほとんど使われませんし、都市部ではシニア世代でも使う人は少ないので、方言だと思われているのでしょう。
「たまげる」の語源
「たまげる」の語源は、「魂」と「消える」という2つの言葉を合わせたと言われています。
それは「たまげる」を漢字に変換するとわかります。
「魂消る」と書いて「たまげる」と読むのです。
つまり、魂が消えてしまうほどの衝撃や驚きを表すわけです。
いつから使われていたのかは定かではありませんが、古くから広まっていたと考えられています。
「たまげる」の類義語
「たまげる」は、驚きを表す言葉です。
驚きを表現する言葉は他にも数多くあります。
「心臓が止まる」
「肝をつぶす」
「仰天する」
「目を疑う」
このように、体の部位を使ったり、仰天のように天を仰ぐ仕草で驚きを表す言葉があります。
魂消る(たまげる)は、これらの言葉の中でも「魂が消える」という表現から生まれたので、相当な驚きを伝える言葉だったのではないでしょうか。
「驚愕」や「驚倒」「驚嘆」など「驚」の文字を使った言葉もありますが、体の部位が変化するほどの驚きの方が、伝わりやすい気がしますね。
まとめ
現在は田舎で使う言葉というイメージが定着してしまったため、使う人はめっきり少なくなっています。
このままでは、「たまげる」という言葉は消滅してしまう日も、遠くないのかも知れません。