「足を洗う」という表現は、悪いことから抜けることや、悪い世界から脱して厚生するという意味として使われています。
時代劇でも使われますし、現代モノの刑事ドラマなどでもよく使われています。
「足を洗う」といえば、誰もが意味を理解できるほど広く知られている言葉ですが、この表現の語源はどこからでしょう。
「足を洗う」の由来について解説します。
「足を洗う」の意味
「足を洗う」の意味は、広く使われている「悪いことから抜ける」とか「悪い仲間から離れる」という理解で間違いないです。
この表現が広く使われるようになったのは江戸時代の中期以降だと言われていて、隠語や俗語として広まった言葉です。
ただ、農業や商業など、まともな仕事をしている人たちが使う言葉ではなかったので、世の中に堂々と出られないようなことをしていた人たちが使っていた言葉でした。
ですが、現在でもそうですが、隠語や俗語が広まるスピードは早いので、庶民の間でも意味を理解する人がどんどん増えていったと考えられます。
「足を洗う」の語源
「足を洗う」という言葉の表現の由来として、2つの説が有力です。
語源としてハッキリしていませんが、2つの説をご紹介します。
遊女の足洗いが語源という説
「足を洗う」という表現の語源として有力だと言われているのが、江戸時代の遊女の行いです。
江戸時代の大坂の新町というところには、郭街がありました。
江戸には吉原という郭街がありますが、大坂は江戸よりも前から発展していた土地なので、郭街もいくつかあったようです。
この大坂新町で働いていた遊女たちが、年季明けや身請けされて郭街から出ると、門の外にある井戸で足を洗ってから、郭での苦労を洗い流すようにして巣立っていきました。
その行いを「遊女の足洗い」と呼ぶようになり、いつしか良くない境遇から抜け出すことを「足を洗う」と言うようになったと伝わっています。
渡世人が草鞋を脱ぐのが語源という説
「足を洗う」とは、人に褒められないような世界から抜けることを意味する言葉です。
その意味から、居場所を定めずに、各地を転々としながら定職に就かずに生きる渡世人が草鞋を脱いで足を洗い、居場所を定めて仕事について、渡世人をやめることが語源という説があります。
渡世人が草鞋を脱ぎ、足を洗い、もうその土地で仕事をしながら真面目に生きることを重ねて、「足を洗う」の語源になったと言われています。
まとめ
「足を洗う」の語源になった2つの説を見てみました。
どちらかと言えば、「遊女の足洗い」の方が有力だと言われていますが、どちらが語源なのか明確な答えはないようです。