「無い物食おうが人の癖」ということわざを知っていますか?
このことわざの意味には、人間の欲深さや罪深さが込められているのですよ。
いったいどんな意味なのか、「無い物食おうが人の癖」ということわざについてまとめてみました。
どんな時に使うのか、また類似する言葉についても解説します。
「無い物食おうが人の癖」の意味とは
「無い物食おうが人の癖」ということわざ「無い物」とは、本当に無いわけではなく、簡単には手に入らないものという意味です。
つまり、「無い物食おうが人の癖」の意味とは、
人間というのは、手に入りにくいものほど欲しがる生き物だ。
ということなんです。
たしかに、人間は入手するのが困難で貴重な食べ物に対して、異常なほど執着しますよね。
手に入りにくい食べ物だから美味しいとは限らないのに、簡単に手に入らないと聞けば、それだけで食べたくなるのが人間の欲なのでしょう。
たとえば世界三大珍味として有名な「フォアグラ」「キャビア」「トリュフ」は、珍味でありながら貴重です。
フォアグラに至っては、人間の食欲のためにガチョウに無理にエサを食べさせて、脂肪肝にしたものです。
ある意味とても残酷ですよね。
それでも人間の強欲さは止まらないので、世界中で貴重な生き物や植物が人間の欲を満たすために犠牲になり続けるのでしょう。
そう考えると「無い物食おうが人の癖」なんてことわざをサラッと言える人間はひどいですよね。
野生の肉食動物などは、自分たちが生きるために獲物を狩ります。
しかし人間みたいに、必要ない食べ物まで手に入れようとはしません。
人間は満腹状態になっても、「すごく珍しくて、滅多に手に入らないもの」と聞かされれば、どんなに満腹でも食べようとするのではないでしょうか。
「無い物食おうが人の癖」の使い方
「無い物食おうが人の癖」は、どんな時に使う言葉なのか例文で見てみましょう。
今度の週末って何か予定ある?
う~ん、とくにないけど。
じゃあさ、この前は入れなかったレストランに行かない?
え?でもあのお店って予約制でしょ。
しかもかなり先まで予約で埋まってるんじゃないの?
そうだよ。
だから、キャンセルが出た時のために連絡先を伝えておいたの。
スゴイね~。食への執念か!
だって、予約が取れないって聞けば余計に食べたくなるでしょ。
「無い物食おうが人の癖」ってあなたみたいな人のためにあることわざかも。
食べることしか私には楽しみがないのよ!
このような会話の中で使えます。
食に限っているわけじゃないので、手に入りにくい物や限定されることに対して使えることわざです。
「無い物食おうが人の癖」の類義語
「無い物食おうが人の癖」ということわざと同じ意味の言葉には、「無い物ねだり」があります。
「無い物ねだり」の方がよく使われているので、馴染みがありますよね。
「無い物ねだり」とは、手に入らないものだから欲しくなるという意味なので、「無い物食おうが人の癖」とほぼ同じです。
まとめ
「無い物食おうが人の癖」や「無い物ねだり」のように、どちらの言葉にも、人間というのはつくづく欲が深い生き物だという意味が込められています。
人間という生き物でいることを、少し恥ずかしく感じるような言葉でした。