「耳の楽しむ時は慎むべし」ということわざを聞いたことがありますか?
このことわざが伝えようとしている意味を理解している人の割合が、どの程度なのかわかりません。
あまり使われないことわざなので、知らない人の方が多いのではないでしょうか。
ですが、意味を知るときっと役に立つ時がくると思います。
「耳の楽しむ時は慎むべし」の意味や使い方を解説します。
「耳の楽しむ時は慎むべし」の意味
「耳の楽しむ時は慎むべし」の「耳の楽しむ時」とはどんな状態を指していると思いますか?
耳が心地よくて楽しくなるのだから、良い音楽を聴きながら気分が良くなっている様子を想像する人が多いのではないでしょうか。
好きな音楽や気分が良くなるような音楽を聴いていれば、誰しも心地よくなります。
それはとても良い精神状態ですが、音楽だけではなく「甘い言葉」も気分を高揚させますよね。
甘い言葉をささやかれたり、自分に対する褒め言葉を並べられた時への注意喚起が「耳の楽しむ時は慎むべし」ということわざに含まれています。
甘い言葉で気分が良くなった時には、冷静な判断ができなくなる恐れがあります。
後から「あの時なぜもっと冷静に考えなかったんだ・・」と悔やむ結果になることがあるので、人から甘い言葉を聞かされて気分が高揚したとしても、行動を慎んで冷静に判断しなければいけないという教えの意味があるのです。
「耳の楽しむ時は慎むべし」の使い方
「耳の楽しむ時は慎むべし」の使い方を例文で見てみましょう。
2つのパターンの例文をご紹介します。
例文①
どうしてこんなにオシャレな店を知ってるんですか。
こんな素敵なお店のオーナーが友達なんですか。
自分なんかとは生きてきた世界が違い過ぎる。
オマエの魂胆はわかってる。
次のプロジェクトの一員に推薦して欲しいんだろ?
ただ先輩に憧れてるだけです。
俺にはおだてやお世辞は通用しないからな。
喜ばそうとする言葉を聞いた時には「耳の楽しむ時は慎むべし」って言葉を思い出すんだよ。
例文②
昨日さ、B先輩に誘われて食事に行ったの。
へえ、どうだった?
あの先輩、あなたのこと狙ってるでしょ。
え?わかるの?
わかるよ~。
わかりやすいくらい。
まさか、自分は気がついてなかった?
う~ん、親切にしてくれるとは思ったけど。
恋愛感情があるとは思わなかったかも。
鈍感だな。
それで、どうなったの?
食事の後に飲みに行ったけど、なんかちょっと違和感があってそのまま帰ったよ。
甘い言葉で誘われるほどに、「やばい」って思ったの。
それはまさに「耳の楽しむ時は慎むべし」ってことだよ。
甘い言葉で判断を誤らなかったのは素晴らしい。
何だか難しいこと言ってるけど、褒められたからいっか♪
甘い言葉の誘惑には注意!という教訓
「耳の楽しむ時は慎むべし」という言葉を普段の会話の中で使うことはあまりないと思います。
ですが、この言葉の意味をしっかり頭に入れておくと、甘い言葉の誘惑につい負けてしまいそうになった時に我に返って冷静になれるかも知れません。
誰でも褒められば嬉しいものですし、嫌なことを言われるよりも気分がよくなるのは自然なことです。
でも、その裏に何か企んでいないかどうか、客観的になることも大切ですよね。
そういう冷静さを失わないために「耳の楽しむ時は慎むべし」という言葉を胸に刻んでおきましょう。
まとめ
「耳の楽しむ時は慎むべし」の意味は、気分の良くなる言葉や音楽などが耳に入ると、雰囲気に乗せられて正しい判断ができなくなるという注意が含まれているのです。
とくに女性が男性の甘い言葉で流されることのないように、行動を慎むように教えているだと思います。