昔はから刑事ドラマや医療ドラマは人気がありましたが、最近は刑事ドラマと医療ドラマのどちらの要素も持ち合わせている「解剖」をテーマにしたドラマが増えています。
しかし、解剖にも色々あるんですよね。
よく耳にするのは「司法解剖」です。
ドラマでよく聞きます。
では、「行政解剖」とは何なのでしょう。
また他にも「病理解剖」というのもあります。
同じ解剖でも違いがあるので、その違いについて解説します。
司法解剖とは
司法解剖とは、死因がわからなくて、事件かも知れない場合に行われる解剖のことです。
司法解剖は、死亡した人の遺族が死因を調べて欲しいと希望しても、警察や検察などが解剖の必要はないと判断すれば解剖はされません。
その逆のパターンもあります。
どれほど遺族が解剖に反対しても、捜査機関が解剖が必要だと判断して裁判所が許可すれば、遺族の同意がなくても解剖できてしまうのです。
司法解剖は、死因を調べて事件を解決する上では、とても重要なことなのですが、日本国内ではなかなか事例は少ないようです。
理由は、専門的な知識を持った法医学者の不足などが関係していると言われています。
ドラマで見るように、司法解剖が頻繁に行われるわけではないのですね。
行政解剖とは
事件性が疑われる場合に行われるのが司法解剖なのに対し、行政解剖は事件とは関係ない場合に監察医が行います。
行政解剖も、司法解剖と同じように遺族の同意は必要ありません。
でも、事件性はないのになぜ遺族の同意もなしに、行政が解剖をするのか疑問ですよね。
行政解剖が行われるケースを調べると、食中毒や感染症の疑いで死亡した場合に、その原因を突き止める目的で行われることが多いことがわかりました。
食中毒や感染症の疑いで死者が出てしまった場合、行政はできるだけ早くその原因を突き止めて、被害が広がらないように対策する必要があります。
そういう場合に行うのが行政解剖なんですね。
病理解剖とは
病理解剖とは、司法や行政とはまったく無関係の解剖です。
病気で亡くなった本人が生前に希望する場合もありますし、遺族が希望することもあります。
医師から遺族に申し出て病理解剖することもあります。
病理解剖は、詳しい死因を特定するだけじゃなく、治療方法が正しかったのか、また今後の治療や医学の発展のために役立てるという目的で行うのが病理解剖です。
まとめ:解剖の目的によって意味が違う
日本の医療は明治以降になって西洋医学をお手本にして発展してきましたが、明治以前は人体の構造を知ることすら難しかったのです。
医学の発展のために、死刑囚の遺体を解剖したという歴史もあったようです。
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