「油紙に水を注ぐよう」ということわざを知っていますか?
そもそも油紙のことを知らない人も増えているので、聞いたことがあったとしても、意味を理解するのは難しいかも知れませんね。
ここでは「油紙に水を注ぐよう」の意味や使い方を解説しましょう。
油紙とは?
油紙とは、紙の表面に油を塗ったものです。
紙に油を浸透させ、乾燥させて作ります。
油紙は、防水、耐水のために使われるものとして古くから重宝されてきました。
例えば和傘のような紙製の傘には、厚い和紙に防水性の高い油を塗って雨水をはじくように作られました。
雨合羽も油紙で作ったものがあったほど、防水には欠かせないものだったのです。
包装紙に使われていた時代もありましたし、医療法にも油紙が使用されていました。
医療用の油紙は、現在も使用されることもあるようです。
このように、生活の様々なシーンで使われてきた油紙だったので、何かを伝えるためのことわざに引用すれば、多くの人がイメージしやすかったのではないでしょうか。
「油紙に水を注ぐよう」とは
「油紙に水を注ぐよう」とは、
他人の話や意見を一切聞こうとせず、耳を傾けないどころかはねつけるような態度
という意味があります。
油紙は水をはじくように作られたものです。
油紙に水を注げば、水は浸透せずにはじいて表面を流れます。
その様子から人の話をはねのけるような態度をすることに対して「油紙に水を注ぐよう」と表現したのです。
とくに人の助言や忠告を聞こうともしない態度に使われる言葉です。
「油紙に水を注ぐよう」と似ている言葉
人の話を聞かずにはねのけるような態度を表す「油紙に水を注ぐよう」という言葉と同じような意味の言葉は他にも沢山あります。
「聞く耳を持たない」はよく使われますよね。
耳がないわけじゃないし、耳が聞こえないわけでもないのに人の話を聞こうともしない態度に対して「聞く耳を持たない」と言います。
「馬耳東風」も人の意見を聞き入れないことの例えとして使われます。
馬耳東風の馬耳とは、文字通り馬の耳のことです。
東風は東から吹いてくる暖かい春風のことを表しています。
馬は暖かい春風が耳をなでても感じないということから、人の話を聞き入れないことの例えとして使われる言葉です。
馬が春風をほんとに感じないかどうか・・はわかりませんけどね。
「油紙に水を注ぐよう」の使い方
「油紙に水を注ぐよう」の使い方を例文で見てみましょう。
そろそろ本気で仕事探さないとダメだぞ
あ・・。うん。
聞いてるのか?
うん。
何かあてがあるのか?
なんの?
だから仕事のあてだよ。
そんなのないよ。
全く、何を言っても油紙に水を注ぐようなもんだな。
このような場面で使えます。
まとめ
「油紙に水を注ぐよう」とは、あまり使われなくなっていますが、油紙が水をはじいて流れ落ちる様子をイメージすると理解できますね。