【遠慮は無沙汰】とはどんな意味のことわざなの?

ことわざ・慣用句

遠慮するのは日本人の美徳にように言われることがあります。

図々しく振舞うと、少しは遠慮した方が・・と周囲から白い目で見られてしまうので、遠慮がちな人の方が好印象を与えるものです。

では「遠慮は無沙汰」とはどんな意味なのでしょうか。

どのような使い方をするのかなど、解説しましょう。

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「遠慮は無沙汰」とは

「遠慮は無沙汰」の意味ですが、まずは遠慮と無沙汰のそれぞれの意味を理解しておく必要がありますよね。

遠慮というのは控えめにすることですが、断る時などに「遠慮しておきます」と使うこともあります。

控えること全般に使うのが遠慮です。

無沙汰というのは、沙汰をしないことですが、沙汰の意味も一つではありません。

沙汰には判決とか採決とか決定などの意味がありますが、「遠慮は無沙汰」に使われるのは連絡、音信、通知などの意味です。
つまり無沙汰というのは、連絡やお知らせをしないことを言います。

久ぶりに会った人に「ご無沙汰しております」と言いますよね。
しばらく連絡を取り合わなかったことに対してご無沙汰というわけです。

「遠慮は無沙汰」とは

訪問することで相手に迷惑をかけてしまうなど、相手のことを気遣うつもりで長らく顔を出さないでいるのは、何の挨拶もしない無沙汰と同じなので、かえって失礼になってしまう。

相手のことを考えて控えることも大切だが、ほどほどにしないと挨拶もしない無礼な人だと思われるので遠慮し過ぎも気をつけなければいけない。

このような深い意味のあることわざなんです。

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「遠慮は無沙汰」がことわざになる時代背景

「遠慮は無沙汰」ということわざは、今の時代にも使われることがあります。

しかし、今のように電話、メール、LINEなど人とつながるコミュニケーションツールがいくつもある時代になると、相手に負担をかけずに連絡することが可能です。

わざわざ訪問するとなると、手ぶらというわけにもいきません。

迎える側だってもてなすための準備をしなければいけません。

遠慮しながらも挨拶はできるので、日常的には「遠慮は無沙汰」とは言わなくなっただけです。

もちろん、時節の挨拶などの不義理をするのは失礼なのは今も昔も同じです。

ですが、挨拶のためには訪問したり、手紙を書いたりする以外の方法がなかった時代とは使う機会も減っているのでしょうね。

「遠慮は無沙汰」の使い方

「遠慮は無沙汰」の使い方を例文で見てみましょう。

兄さんの店の改装祝いはしたのか?

お花を贈るつもりだったんだけど、お店の中に飾るスペースが少ないからお花は要らないって言われたの。
だからまだお祝いしてない。

そうなのか!
もうオープンして随分経つよな。

だからお祝いを兼ねてお店に行った方がいいんじゃないかなって思ってるの。
でも、忙しかったら迷惑になるかと思って、タイミングを決め兼ねているのよ。

それなら早く行かなきゃダメだよ。
もしも忙しそうなら顔だけ出して帰ればいいんだから。
「遠慮は無沙汰」になってしまうぞ。

そうね、じゃあ週末にでも行きましょう。

このような会話の中で使えます。

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まとめ

「遠慮は無沙汰」とは遠慮するのも程々にしないと、気を使ったつもりでも失礼な人だと思われるかも知れないという、注意を促す意味がありました。

たしかに、控えめになり過ぎていては、気持ちは伝わらないものですよね。