ことわざには目や鼻、口など顔のパーツを使ったものが沢山あります。
顔だけじゃなく、手足など人の身体の部位を使っていることわざが色々ありますね。
自分の身体の部位が使われているので、意味を理解しやすいのでしょう。
鼻を使ったことわざも沢山あります。
「鼻をつままれても分からない」というのもその中の1つです。
このことわざの意味や使い方をご紹介しましょう。
「鼻をつままれてもわからない」とは
「鼻をつままれても分からない」というのは、
目の前で誰かに鼻をつままれても、その誰かがまったくわからないほどの暗闇
という意味です。
一寸先も見えないほどの真っ暗闇のことを表すことわざなのです。
現実的に考えれば、目の前で誰かに鼻をつままれても分からないほどの暗闇では、その誰かも鼻をつかむこともできません。
あくまでも、それほどの暗闇だということを表現するための例えです。
「一寸先は闇」との違いとは
「鼻をつままれても分からない」ということわざの意味が一寸先も見えないほどの暗闇だとすると、「一寸先は闇」と同じ意味なのか?と混乱してしまいます。
ですが「鼻をつままれても分からない」と「一寸先は闇」とでは伝えている意味が違います。
「一寸先は闇」とは、近い将来でも何か起こるのか先のことは誰にも分からないという意味です。
今日はとても順調でも、明日は何か大きなトラブルが起こるかも知れません。
一寸とはとても小さい長さの単位のことなので、ほんの少し先でも油断してはいけないという注意喚起なのですね。
一寸先も見えないほどの暗闇を意味することわざとは似ているようで全く違うのです。
「鼻をつままれても分からない」の使い方
「鼻をつままれても分からない」は、ほんの少し先も見えないほどの暗闇のことなので、いつでも明るい光が手に入る現代にはあまり使わなくなっています。
ではどのような場面で使えるのか、例文で見てみましょう。
昨日の夜の台風はすごかったね。
風の音で怖くて眠れなかった。
停電はしなかったの?
うちはしなかったよ。
停電したの?
1時間以上も停電して怖かったよ。
夜中に停電するとホントに真っ暗闇になるんだよね。足元も見えないから歩くこともできなくて怖かった。
停電した時でもセンサーで点灯するライトとか寝室に設置した方がいいね。
ホントにそう思った。
あの暗闇なら鼻をつままれても分からないよ。
このような会話で使えることわざです。
まとめ
提灯や灯篭のあかりくらいしかなかった時代は、月明かりもない夜は真っ暗闇になります。
そういう時代には、リアルなことわざとして使われたのではないでしょうか。