【時の代官日の奉行】ということわざはどんな意味があるの?

ことわざ・慣用句

ことわざには、世の中に起こることに対して批判したり、皮肉っぽく表現ものがあります。

ですが、皮肉のようでもよくよく意味を理解すると、じつは世の中を生きていく上で必要な処世術を教えていることわざも多いのですよ。

「時の代官日の奉行」も皮肉を言っているようで、じつは世渡りの術を伝えています。

「時の代官日の奉行」の意味や使い方など、解説しましょう。

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「時の代官日の奉行」とは

「時の代官日の奉行」とは、

そのときに権力を持っている者に従っていくことが、世渡り上手な方法であり、出世への近道になる。

という意味です。

代官や奉行は、今で言うところの官僚のような人のことでしょう。

その時の権力者にいい顔をするということなので、あまり良い意味とは思えないのですが、生きる上で大切なことを教えているのですよ。

昨日までの権力者が、翌日には失脚して権力を失ってしまうかも知れません。

昨日までお世話になった人だとしても、今日から権力を持つ人に従わなければ、自分自身の立場も失うことになるかも知れないのです。

義理や人情だけで生きられないのだから、その時の権力者に従わなければ、この世を上手く渡れないでしょう。

自分一人で生きているのではなく、守るべき人がいる場合は、その時、その日の権力者に従うべきだと伝えているわけですね。

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「時の代官日の奉行」と同じ意味のことわざ

「時の代官日の奉行」のように、その時に権力を持つものに従うことが間違いない生き方だと伝える意味のことわざは他にもあります。

「時の花をかんざしにせよ」ということわざです。

時の花とは、その季節にしか咲かない花のことです。
その季節に咲く花を時の権力者に例えているわけです。

好きな花は人それぞれ違うように、どれほど権力を持っている人でも好き嫌いはあるでしょう。

だからといって、好きな花が一年中咲くわけでもないし、自分が尊敬できる人や好感を持つ人がずっと権力を持ち続けるとも限りません。

世の中の流れに逆らわず、権力者に従った方が無難な生き方だということなんですね。

日本人らしい生き方がこのことわざに反映しているのかも知れませんね。

「時の代官日の奉行」の使い方

「時の代官日の奉行」の使い方を例文で見てみましょう。

いや~、ちょっとびっくりしたよ。

何かあった?

課長だよ。
部長が異動になった途端、態度がコロッと変わってたんだよ。

新部長って課長の同期なんでしょ?

そうそう。
新部長が転勤になった時は「あいつは左遷だ」とか言ってのに、部長になって戻ってきた途端に態度が激変だよ。

課長らしいって言えばらしい。

意地とかプライドとかないのかね。

それを言ったら気の毒だよ。
サラリーマンなんだから、課長みたいにならないとやっていけないんだよ。
「時の代官日の奉行」ってこと。
今日からは同期でも上司なんだから。

そうだね。
僕も課長と同じ立場になったら、きっとそうなるな。

社会人なんだから、それは割り切らないとね。

このような場面で使えます。
小さな社会でも上下関係が出来上がるので、使える場面は多いのではないでしょうか。

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まとめ

権力者のために振り回されて苦労している官僚を見て「気の毒だわ」と思ったりします。

でも、それも彼らが生きていくための世渡りテクニックなのでしょうね。

心の中ではどう思っているのかわかりませんが、その時の権力者に逆らわないのが無難と考える人、安定した人生を送れるのでしょう。