「へなちょこ」と言われていい気分になる人はいませんよね。
褒め言葉じゃないことは、みんなわかっているはずです。
「へなちょこだなぁ~」なんて言われないためにも、しっかりしなくてはいけないと思います。
でも、「へなちょこ」って不思議な言葉ですよね。
いったい何が語源になって生まれた言葉なのか・・。
「へなちょこ」の語源を解説しましょう。
「へなちょこ」の意味
「へなちょこ」の意味は、
一人前には程遠い未熟者
未熟で役に立たない人
このような人のことをからかったり、あざける時に使います。
弱々しいという表現で使うこともありますが、未熟者という意味が本来の使い方です。
「へなちょこ」の語源
「へなちょこ」の由来は、粘土で作ったお猪口(おちょこ)からだと言われています。
「へな」は粘土質の土のことです。
焼き物に使う粘土は、上質なものから程度の低いものまでいろいろあります。
「へなちょこ」の語源になったお猪口は、質の悪い粘土で作られた粗末なものだったので、未熟な者という意味で「へなちょこ」というようになったという説があります。
他にも、軟弱なことを指す「へなへな」と、落ち着きなく「ちょこちょこ」する様子から、未熟な者を示す「へなちょこ」になったという説もあります。
また、「変な猪口」が語源となって「へなちょこ」になったという説もあります。
どの説が正しいのか定かではありませんが、「へなちょこ」という表現は、江戸時代にはなかったようです。
明治以降に生まれた言葉なのですね。
お猪口に関係する「猪口才」とは
「へなちょこ」がお猪口が由来になって生まれた言葉だとすれば、「猪口才」の由来も知りたくなませんか?
「猪口才(ちょこざい)」とは、小生意気な者に対する言葉です。
「生意気言うな!この猪口才が!」というように使います。
ですが、「猪口才」のもともとの意味は「ちょっとしか才能を持っていない者」を表すことでした。
「少し」のことを「ちょっと」と言いますが、「ちょこっと」と言うこともありますよね。
そこから当て字で「猪口才」という言葉になったと言われています。
まとめ
「へなちょこ」が未熟な者に対してあざける表現だったとは知らなかった人もいるのではないでしょうか。
弱々しい人を示すわけではなかったのですね。
未熟な者を表現する「半人前」と比べると、軽く聞こえるのは、「へなちょこ」という音の響きが理由のような気がします。