ことわざの意味は、聞いただけではその言葉の裏に込められている意味がわからないことが多いですね。
「使う者は使われる」ということわざも、その言葉だけでは、何を伝えようとしているのかわかりません。
今回は、「使う者は使われる」という言葉が伝えようとしている意味を解説します。
「使う者は使われる」とは
使う者とは、人の上に立って人を動かす立場のことです。
職場で言えば上司のことです。
ですが、上司の上にはまた上司がいて、最終的には経営者が使う者の頂点にいます。
ここで言う「使う者」とは、とくに経営者に限定しているわけじゃなく、人の上で人を動かす立場のことです。
「使う者は使われる」の意味は、
人を使うには、色々な気苦労があります。
人の上で人を使っているように見えても、結局は人に気を使ってばかりで、使われているようなものだ。
ということです。
これは、人の上に立ってみた人でしかわからないことです。
よく言われるのは、職場で部下という立場の人間ができると、自分の仕事以外にも面倒を見なければいけないので、大変な仕事が増えるので、出世なんてしたくないと思っている人が増えているということ。
これは本当に深刻な問題です。
出世欲がなく、人を使うだけで神経をすり減らしてしまうから、出世は断りたいと思うのでしょう。
そういう人ばかりが増えてしまうと、生産性も落ちてしまいます。
「使う者は使われる」は日本人の特性かもしれない
人の上に立って、人を使う立場になりたい。
そう思うのは当たり前ですが、人にハッキリとモノを言うのが苦手な国民性なので、人の上に立っても、使う人に気を使うので、結局は自分で全てやってしまった方が気楽だと思ってしまうのです。
そして、もう一つは、人の上に立って人を使う立場になると、責任が重くなります。
自分が使っている人が、何かミスしたりすれば、その責任は使う者が負うのです。
だから「使う者は使われる」というように、人の上に立つことは、精神的にヘトヘトになるほど気苦労が多いのでしょうね。
「使う者は使われる」のまとめ
人の上に立つと、誰でも神経をすり減らすほど気を使うわけではありません。
世の中には、人の上に立つのが向いている人も沢山います。
そういう人は経営者になるべきでしょうね。
逆に、先祖代々から商売をしていて、向いていないのに経営者なんかになると、ストレスで心のバランスを欠いてしまいそうです。
人には向き不向きはあるので、向いていない人には苦痛でしょう。
ですが、育った環境が人格を形成するので、生まれた時から経営者になるための教育を受けていれば、人を使う者になっても必要以上に気を使ったりはしないのです。
出世しなければ豊かな生活は送れないとしても、神経をすり減らして生きるくらいなら、少々の貧乏暮らしはガマンして、気楽に生きたいと思うのも理解できますね。