同じことをやり返されたりすると、「しっぺ返しをくらう」なんて言いますよね。
子供のころから普通に使っているので、その意味とか語源なんて考えたこともありませんでした。
でも改めて考えてみると「しっぺ返しのしっぺって何なの?」という疑問が湧いてきました。
そこで「しっぺ返し」について掘り下げてみました。
「しっぺ返し」の由来
「しっぺ返し」とは、もともとは仏教から生まれた言葉だったと知って驚きました。
子供がいたずらをしてやり返されたりすると「しっぺ返しだ~」なんて使ったりする言葉ですから、もっと庶民の俗語から生まれたのだと思っていました。
仏教から生まれた言葉の中には、私たちの日常生活に根付いている言葉が溢れているそうです。
「しっぺ返し」もその一つだったのですね。
「しっぺ返し」の語源とは
しっぺとは、竹箆(しっぺい)という竹で作った棒が語源となっています。
中国から日本に伝わってきた仏教は日本で様々な宗派になりました。
禅宗は坐禅を修行とする宗派として鎌倉時代には武家の間にも広まったくらいです。
今でも坐禅の修行では、竹箆を使って打ちます。
坐禅は雑念を振り払うことが修行ですが、その間に雑念が入ると身体が揺れたり呼吸が乱れたりします。
すると竹箆で肩や背中を打つのです。
修行する僧侶は、竹箆を打つ側から打たれる側に回ることもあるので、同じことをその後に返されることから、「竹箆返し」が訛り「しっぺ返し」となったと伝わっています。
「しっぺ返し」の意味とは
「しっぺ返し」の意味が仏教から始まったとしても、その意味は仏教とは関係なく使われています。
簡単に言えば、やったことをすぐにやり返されることを「しっぺ返しされる」と言っています。
同じような立場の者同士が、あまり深い意味のないことをやったりやり返したりすることに使うのが「しっぺ返し」にはぴったりです。
「しっぺ返し」と似た意味の言葉
「しっぺ返し」は、そんなに罪深いことではなく、軽い悪戯に対する言葉のイメージです。
「やり返す」という意味の言葉には、
・復讐する
・報復する
というような、重い言葉が多いですね。
「やり返された」という意味の言葉になると、
・ツケが回ってきた
・お返しされた
というような、ちょっと軽い言葉になります。
自分から起こしたことを返される側は、軽い言葉で表現したくなるのかも知れませんね。
多分、自分がしたことを軽く見せるために言葉も意識的に軽くしているのではないでしょうか。
まとめ
「しっぺ返し」が仏教の坐禅修行から生まれた言葉なんて面白いですね。
仏教から生まれた言葉を今後も調べてみようと思っています。