初心忘るべからずという言葉がありますよね。
どんなことも慣れてしまうと適当にしてしまったり、ちょっとした慢心が起こりやすくなります。
常に初めての時の気持ちを忘れないようすれば、慢心から起こる失敗もなくなります。
この初心忘すべからずということわざから、「初心にかえる」と言いますね。
どんなことでも初めてがあるわけですから、初心にかえることで、未熟だった頃の自分を振り返り、油断や慢心しないように自分を戒めるわけです。
そこで疑問です。
初心に帰るのか、初心に返るのか、どちらが正しいのでしょう。
帰ると返るの違い
初心に帰るのか初心に返るのか、どちらが正解なのか調べる前に、「帰る」と「返る」の意味を理解しておきましょう。
「帰る」とは、家に帰る、会社に帰る、故郷に帰る、母国に帰るなど、人が戻るべき場所に帰るという意味です。
「返る」とは、もとの形、もとの状態に戻ることです。心の状態などを表すのはこちらでしょう。
初心には帰るのか返るのか
初心に帰るとなれば、何かを始めた場所に戻り、スタートしたばかりの頃の気持ちを思い出すという意味と受け取れます。
初心に返るとなれば、何かを始めたばかりの緊張感に溢れていた時を思い出し、その時の心に戻るという意味に受け取れます。
もともとはどちらが正解なのか、はっきりとした答えはないのですが、いくつかの国語辞典では「初心に返る」を使っています。
初心は「心」という字を使ってるので、心の状態を示しているので、「初心に返る」が正しいのではないでしょうか。
ただ、ほんとに人がその場所に帰るような時には、「初心に帰る」でも間違いとは言えないそうです。
初心にたちかえる
そう言えば、芸能人とか政治家などが不祥事を起こして謝罪会見をする時に、「今一度、初心にたちかえり……」というフレーズを入れているのをよく耳にします。
この言い回しは「初心に返る」と「立ち返る」が混合したものです。
立ち返るの意味は、白紙に戻す、または原点に戻るという意味なので、初心に返ると被っています。
「初心に立ち返る」というのは、強調しようとして重ねてしまったのではないかと思います。
迷った時は仮名で書く
最終的に初心に返るのか初心に帰るのか、どちらにすべきなのかハッキリしなかったので、迷ってしまったら、「初心にかえる」と平仮名で書いておけば間違いありません。
読む側が正解を知っていると想定すれば、平仮名が安心ですね。
まとめ
ところで、みなさんの初心は何ですか?
初心にかえって、まっさらな気持ちを思い出せる人は、まだまだこれから成長できるでしょうね。
初心と言える時を思い出してみます。