親も親なら子も子なり
このことわざを聞いて、アナタはどんな印象を受けましたか?
親がダメだと子供に悪影響を及ぼすってことじゃないかな
なるほど。
悪い親に育てられたから、子供も悪い子になってしまうということですね。
または、親の悪いところが遺伝して似てしまったとか。
顔かたちや体格が親に似てしまって子供が可哀想ってことあるでしょ。
ということは、あなたは「親も親なら子も子なり」は悪い意味のことわざだと思っているわけですね。
まあ、そういうことになるけど・・・。
え???違うの?
さて、どうなんでしょう。
親も親なら子も子なりの意味について解説します。
親も親なら子も子なり
親も親なら子も子なりとは、親がとても立派な人だと思ったら、その子もまた立派だという意味です。
使い方の一例です。
父親が高校球児だった頃、甲子園を沸かせたような選手でした。
その息子はまだ小学生なのに、地元で有名な少年野球チームでの活躍が目立っています。
「○○君はやっぱりお父さんの良い遺伝子を受け継いでいるね。親も親なら子も子なりとはこのことだよ」
このような使い方をするのが本来の意味です。
多くの人が、このことわざを悪い意味で使っているので、本来の意味で使っても、言われた側が知らないと、大変な失礼になってしまうことがあります。
世の中の人が良い意味のことわざという認識を持てなくなってしまった今、このことわざを褒める時の表現として使えなくなってしまったのですね。
親が親なら子も子
親も親なら子も子なりと非常によく似ているのが「親が親なら子も子」です。
じつは、親も親なら子も子なりと反対の意味で使う時には、親が親なら子も子の方になるのです。
よく聞かなければ違いがわからないほど似ているので、良い意味と悪い意味がごちゃ混ぜになっても不思議ではないですね。
親が親なら子も子は、親の性質を受け継ぐという意味では同じですが、親がこんなだから、子もこんなになってしまう・・というマイナス表現です。
この親にしてこの子あり
この親にしてこの子ありは、親も親なら子も子なりと同じ意味のことわざです。
優秀な親だからこそ、子供もまた優れた子に育つという意味です。
ですが、やはりこのことわざも、親も親なら子も子なりと同じように、悪い意味で使われることも多くなっています。
この親を(こんな悪い親)としてしまえば、子も悪い子になって当然という意味で使われてしまいます。
人を褒めたり、良い評価するために生まれた言葉も、反対の意味に誤用されることが増えてしまうのは困ったものですね。
使いたくても誤解されたくなければ使わない方が無難。
そんな言葉がどれだけあるのか、悲しくなってしまいますね。
まとめ
親も親なら子も子なりと親が親なら子も子は正反対の意味ということだけ、しっかり押さえておきたいですね。