グルメ番組を見ていたりすると、「創業○○年の老舗」という年月の長さを強調して紹介することがあります。
古くから商売していることは、それだけ多くの方に支持されてきたことでもあるし、信用できるお店というイメージもあるので、老舗と言われるとそれだけで何となくそのお店の品格の高さを感じてしまいます。
老舗という言葉に弱いんですよね、現代人は・・。
それはめまぐるしく変化する世の中の生きていると、新しいモノに追いつくのが忙しいので、古いものを守っている老舗に対して一種の憧れのようなものを抱いてしまうからでしょう。
自分に無いものに憧れる、それが人情です。
でも、老舗の定義って曖昧ですよね。
そもそも老舗ってどんな商売でも使っていいのか、それもよくわかりません。
今回は老舗について調べてみました。
老舗とはいつから使われた言葉?
老舗という言葉が生まれたのは、江戸時代だと言われています。
もともとは、「仕似せる」という言葉から老舗となったという説が濃厚です。
仕似せるとは、仕えて真似をすることです。
真似をしてその技が伝統を受け継いでいくことから、商家で使われるようになり、そこから老舗(ろうほ)を老舗(しにせ)と言うようになったというのです。
江戸時代の商家は、江戸で商売を始めた家もありますが、徳川家のお膝元であった尾張から移ってきた商家や京都や大坂から移ってきた商家もあったので、伝統や格式をわかりやすく示すのに創業○○年と言うことがあったと思われます。
老舗の定義は京都だけ違う?
老舗と名乗れるのは、誰から見ても長い歴史と伝統を守っているお店というのはわかります。
でも定義はないのですよね。
色んな統計を調べるデータ会社などでは、それぞれに定義があるみたいです。
例えば100年以上、30年以上、3代以上などなど。
あまりにも曖昧なので、要するに老舗の定義はハッキリしないのです。
個人的には100年くらいが老舗の分かれ道なのではないかと思うのですが、どうやらそれは関東だけの話のようです。
関東は徳川家康がこの地にくるまで平野が広がる荒野でした。
そこを京都を超えるほどの町に作り上げていきました。
あまりにも活気があり、人が溢れていて、その当時では世界一の人口密集都市だったという説もあります。
人が集まれば儲け目的で人が集まります。
どんどん商家も増えてきたわけですが、江戸という町が発展してから続いていれば100年なんてラクラク超えるので立派な老舗ということですが、京都では300年、400年なんて珍しくないほどの老舗が数多くあります。
ということで、京都では100年を超えるくらいでは老舗と呼ぶにはまだ早いというのが京都の方たちの認識のようです。
老舗はどんな業種でも使ってイイの?
老舗というのは、例えば和菓子店や呉服屋などに対して使うことが多いですが、最近では企業に対しても使うことが増えてきました。
例えば金属加工など、職人の技が必要な業種では、会社規模になっていても老舗企業と呼ばれることがあります。
企業に対しては、30年を超えると老舗と呼ばれることが多いのですが、そこには企業を長続きさせることが難しさがからでしょう。
日本有数の企業でも、外資系と合併して名前が変わったりすることもありますから。
しかしここにも京都では少し違う認識のようで、長く続く商家が会社組織に変わることがあるため、企業に対しても100年を超えないと老舗とは呼ばれないそうです。
さすがに京都は違いますね。
まとめ
老舗と認められるには、自分だけの努力ではダメです。
受け継いだことを、また次の代へ渡していかないといけません。
老舗と言われると、格式の高さを感じて、ただただ憧れてしまうのは、伝統を守り続けることへの尊敬の気持ちがそう感じさせるのではないでしょうか。