【錦を衣て夜行くが如し】とはどんな意味?正しい使い方とは!

ことわざ・慣用句

錦を衣て夜行くが如し(にしきをきてよるいくがごとし)とは、中国の史記から生まれたことわざで、日本に伝わったものです。

どんな意味があるのか、正しい使い方も含めてご紹介します。

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錦とは?

錦とは、様々な色彩の糸を使った絢爛豪華な織物の総称です。

庶民が簡単に手に入れて着物に使うことは難しい価値の高いものなので、出世したことを「錦を飾る」と言います。

錦を衣て夜行くが如しの意味

錦を衣て夜行くが如しということわざの意味は、

暗い夜道ではせっかく美しい錦の織物で誂えた着物を着ていても、見えないから意味はない

ということです。

錦の立派で美しい着物は、他の人の目に触れるわけでもないのに身に着ける意味がないということなんですね。

ですが、このことわざの奥には故郷を懐かしむ思いが秘められています。

出世して位の高いところに置かれた人が残した言葉が由来だと言われています。

頑張って出世しても、故郷に帰って出世する前の自分を知っている人に出世を知られなければ意味がないことを表現するために、錦の衣を使ったのです。

せっかくの豪華な着物も誰も見てくれなければ意味がない。(せっかくの出世も故郷の人に知られなければ意味がない。)

たしかに故郷を離れている人たちが出世して帰る時にも「故郷に錦を飾る」と言います。

故郷の人たちに「よく頑張った」と褒めて欲しいから出世するために努力したという意味でもあるのでしょう。

何となく、郷愁を感じる切ないことわざですね。

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錦を衣て夜行くが如しの反対のことわざ

錦を衣て夜行くが如しということわざには、正反対の意味のことわざがあります。

「錦を衣て昼行く」は、まさしく対局にあることわざです。

立身出世して、美しい衣を身に着けて、その栄誉を故郷の人々に知らせることです。

昼間に豪華絢爛な錦の衣を着て歩いていれば、人の目を引きます。

「錦を衣て郷に還る」というのは、故郷に錦を飾るのもとになっています。

今は身分の違いはなく、平等ななずですが生まれた家が裕福であったりすると、格差はハッキリしています。

昔はもっと身分が厳しく分けられていたので、立身出世という身分制度を乗り越えるようにして出世することは難しかったのでしょう。

だからこそ、出世したことを故郷の人々に知って欲しいと思うのは当然のことだと思います。

その気持ち、よくわかりますよね。

まとめ

錦を衣て夜行くが如し(にしきをきてよるいくがごとし)とは、せっかく頑張って出世したのになかなか故郷に帰れないことを悲しむ気持ちが込められていて、意味を知ると切なくなってしまいました。

故郷がある人は、帰れる時には帰りましょう。