小豆の豆腐ということわざがあります。
え?ことわざなの?
小豆で作った豆腐のことじゃないの?と驚かれる人がいるかも知れません。
小豆の豆腐とは、どんな意味なのか調べてみました。
小豆で豆腐を作れるのかどうか、そこに真相が隠れています。
小豆の豆腐の意味とは
小豆の豆腐ということわざの意味は、現実にはあり得ないことです。
豆腐を作る時には小豆ではなく大豆を使います。
豆腐を小豆で作るなんて、あり得ないし、そもそも考えられないことだという意味のことわざなんですね。
豆腐を大豆で作る理由
小豆の豆腐がなぜあり得ないことの意味なのか。
その理由は、豆腐がなぜ豆腐になるのか知ると理解できます。
豆腐の作り方
大豆を水に浸たす。
大豆を細かく潰す。
大豆の汁(豆乳)を絞る。
大豆のしぼり汁を煮る。
にがりを加える。
型に流す。
重しを乗せる。
行程としてはザっとこんな感じです。
豆乳とにがりがあれば、自宅でも手作り豆腐は作れるので、家で作っている人もいます。
大豆で豆腐が作れると、小豆でも作れそうなものですが、豆腐はにがり(塩化マグネシウムなどのミネラル)と大豆のたんぱく質が反応して固まることで形成されます。
小豆にもたんぱく質は含まれていますが、大豆のたんぱく質は約35%に対して、小豆は20%ほどです。
そのたんぱく質の含有量の違いあるので、小豆と大豆ではにがりとの反応に差が出ます。
大豆で作る豆腐のようには固まらないのです。
ということから、小豆の豆腐とは、現実にはあり得ない意味として使われることわざなのです。
小豆豆腐というのは存在する?
ここまで、小豆の豆腐はあり得ない、現実には考えられないことを指すことわざとして説明してきました。
ですが、世の中には小豆豆腐というものが存在しています。
小豆を使うので、和菓子寄りのモノが多いですが、小豆豆腐というものは作られています。
それじゃ大豆じゃなくても豆腐は作れるのだから、あり得ないことを意味することわざとして「小豆の豆腐」は使えないことになってしまいます。
でも、小豆豆腐というものが存在していても、それはにがりを使って形成する豆腐とは別モノです。
ごま豆腐の作り方で小豆を使っているだけのことなんです。
ごま豆腐は、すりつぶしたごまと葛粉を使って固めます。
ごま豆腐は、大豆の豆腐とは違ってモッチりとした粘りがありますが、あれは葛による弾力です。
葛を使えば、小豆の豆腐も作ることは可能ですが、にがりで固まることはないので、小豆の豆腐はあり得ないことなんですね。
まとめ
小豆は豆腐にするよりも、ようかんやぜんざいなど、美味しく食べる方法はいくらでもあります。
わざわざ無理なことに挑戦することはないですよね。
あり得ないことを目の当たりにした時には、小豆の豆腐を思い出しそうです。