「憤りを発して食を忘る」ということわざを知っていますか?
あまり使われていないのですが、もとは論語から生まれた言葉なので、深い意味があるようです。
「憤り」というのは、怒りの感情や腹立たしさなどのことなので、一見すると怒りの感情に対する教えのようです。
果たしてこのことわざが怒りの感情に対する教えなのかどうか、解説します。
「憤りを発して食を忘る」とは
「「憤りを発して食を忘る」とは、
仕事や勉強に熱中し過ぎてしまい、食事をするのも忘れてしまう。
という意味です。
孔子が学問に情熱を燃やして打ち込む様子から生まれた言葉がもとになっています。
発憤忘食という四字熟語は、「憤りを発して食を忘る」と全く同じ意味です。
勉強や仕事が楽しくて、時間を忘れて熱中するうちに、空腹も感じずに食事を忘れてしまうほど夢中になれるというのはなかなかありません。
それほど夢中になり、打ち込めることができれば、食べることも後回しになってしまうのですね。
「憤り」は怒りの意味ではないの?
「憤りを発して食を忘る」ということわざの意味では、「憤り」は怒りの感情とは違います。
しかし「憤りを感じる」というのは、「怒りをおぼえる」という意味で使われています。
怒りの感情によって食事をするのを忘れるという意味だと勘違いしてしまいそうですね。
ですが、「憤りを発して~」とは「発憤する」ということです。
「発憤」とは意欲を燃やすとか、やる気を出すという意味なので、このことわざの「憤り」は怒りの感情とは関係ないのです。
食欲が意欲を削ぐことがある
「憤りを発して食を忘る」ということわざは、身体の仕組みから考えると納得できます。
仕事や勉強が好きで、夢中になって打ち込めれば素晴らしいことですが、仕方なく勉強したり仕事しなければいけない時もあるでしょう。
どちらかと言えば後者の方が多いのでは?
やりたいわけじゃないけど、頑張らなければい時もあります。
そんな時は空腹を少しガマンしながら仕事や勉強をした方が効率が良くなるのです。
満腹になると、リラックス状態になり、眠くなるのは副交感神経が優位になるからです。
少し空腹をガマンするくらいの方が眠気を感じないので、頑張りが利くのでしょうね。
そういう意味でも、仕事や勉強に取り組む時には食べるのを忘れるくらいがちょうど良いのかも知れませんね。
まとめ
「憤りを発して食を忘る」のことわざのように、食べることも忘れるほど何かに夢中になって取り組めるのは幸せなことです。
そういう仕事に就ければ理想的でしょうね。