【直木まず伐らる】とはどんな意味のことわざなの?使い方は?

ことわざ・慣用句

「直木まず伐らる」ということわざを聞いたことがありますか?

はじめて聞いたという人には、その意味を理解するのが難しいかも知れません。

この言葉の意味を知ると、世の中では羨ましがられる人にも、苦しみや悲しみがあることを理解できる可能性があります。

どんな人に対して使うことわざなのか、疑問を解いてみたいと思います。

「直木まず伐らる」の意味や使い方について解説しましょう。

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「直木まず伐らる」の意味

「直木まず伐らる」とは、

能力の高い者や、才能にあふれた者は、なまじ役に立つのでかえって災いをこうむりやすい。

という意味があります。

その理由を直木を使って伝えています。

直木とは、真っ直ぐに伸びた木のことです。

成長の過程で曲がったり、大きく枝分かれしていない真っ直ぐな木は、材木として用途が広いですよね。

柱として使う木としては、直木が選ばれやすいのは、木材に詳しくない人でもわかりますよね。

つまり、多くの木の中でも、真っ直ぐに成長した木は真っ先に伐られてしまうのです。

これを人に置き換えて考えてみます。

優秀な人や才能のある人は、人に一目置かれるでしょうし、活躍の場を与えられやすいはずです。

なので、災いを受けやすいというのは、なぜなの?って思います。

ですが、平凡な人よりも目立ちやすいのは間違いありませんね。

そして、その才能を上手く使おうとする人が集まってきます。

広い意味で考えると、たしかに平凡な人よりも災いを受ける確率は高そうな感じがします。

「直木まず伐らる」の続く言葉

「直木まず伐らる」はという言葉には、じつは続きがあります。

「甘井まず渇く」と続きます。

甘井とは、良い水が出る井戸のことです。

良い水が出る井戸は、みんながその水を求めて汲に来るので、他の井戸よりも先に涸れてしまうという意味です。

直木と同じく、良いものを人は見逃さないのでしょうね。

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「直木まず伐らる」の使い方

「直木まず伐らる」の使い方を例文で見てみましょう。

昨日の試合もお宅の息子さんが大活躍だったわね。

ああ、そうみたい。

あら?あんまり嬉しそうじゃないけど・・。

うん、ちょっと心配なの。
毎試合フルに出場しているから、故障が心配で。

なるほどね。
お宅の息子さんがいないと勝てないからなのかしら。

かもね。
でも、将来のことを考えると、無理させたくないの。

直木まず伐らるって言うからね。
稀に見る才能だから、どんどん使われちゃうのかも知れないね。

ありがたいことだけど・・。
親としては複雑よ。

このような会話で使える言葉です。

「出る杭は打たれる」との違いは?

「直木まず伐らる」と似ていることわざに「出る杭は打たれる」があります。

こちらはよく聞く言葉ですよね。

「直木まず伐らる」と「出る杭は打たれる」は同じ意味のように感じますが、まったく同じというわけではありません。

「出る杭は打たれる」も、才能のある人は目立つという意味は同じです。

ですが、「出る杭は打たれる」は人の妬みを買いやすいという意味が含まれます。

「直木まず伐らる」や「甘井まず渇く」のように、才能に人が惹きつけられたことが原因で災いを受けやすいのとは違います。

有能な人が頭角を表せば、妬みから失脚させようとする人も出てくるので、思うように出世できないことがあるのでしょう。

「出る杭は打たれる」には、そういう人の妬みから受ける災難を指しているのです。

まとめ

「直木まず伐らる」は、才能のある者を大切に守らなければいけないとう教えが含まれているように感じました。

不条理なことばかりではなく、才能に人が群がるのは悪意ばかりではありません。

「直木まず伐らる」を「出る杭は打たれる」の違いを理解して、使い分けたいですね。