猫と虎は、同じネコ科の動物です。
ネコ科というくらいなので、大きさは違ってもトラは猫みたいな仕草をしますね。
他にもライオンやチーターやヒョウなどもネコ科ですが、猫と虎はことわざや慣用句によく使われます。
「猫にもなれば虎にもなる」という言葉は、猫と虎が両方使われていますね。
この言葉の意味を調べてみました。
「猫にもなれば虎にもなる」とは
「猫にもなれば虎にもなる」という言葉の意味は、
時と場合によっては、また、相手の態度によっておとなしくもなれば猛々しくもなるということ。
新明解故事ことわざ辞典
とあります。
つまり臨機応変に態度を変えることなんですね。
「時と場合によっては」と「相手の態度によっては」というのは、同じ人でも相手の態度が変化した場合には、それに対応するように自分の態度を変えるということでしょう。
上手く世の中を渡っていく術ということなのでしょうね。
同じ意味を持つ類語には、「鬼にもなれば仏にもなる」という言葉があります。
猫は仏、虎は鬼ということですね。
「猫にもなれば虎にもなる」は良いことか
「猫にもなれば虎にもなる」というのは、「勝ち馬に乗る」や「風見鶏」と同じように使われることがあります。
ですが「勝ち馬に乗る」や「風見鶏」は狡さが見え隠れする言葉なので、あまりいい印象ではありません。
しかし「猫にもなれば虎にもなる」は、ズルさとは少し違うと思います。
相手が攻撃的であれば対抗しなければいけないときもあるし、逆におとなしくした方が安全かも知れません。
つまり、優勢な方になびくわけではなく、相手の出方を見て臨機応変になることなので、悪いことではないのでしょう。
「猫は虎の心を知らず」とは
猫と虎が両方使われる言葉には「猫は虎の心を知らず」というのがあります。
この言葉は、つまらない人間には大きな人間の考えや気持ちはわからないという意味の表すために猫と虎をたとえに使っています。
つまらない人間のことを猫にたとえるなんて、愛猫家は納得できないでしょうが、これはあくまでもたとえなので・・。
虎はネコ科ですから、子供の虎の愛らしさは猫に通じるものがあります。
姿形が似ているから、たとえに使われたのでしょう。
小さな猫と大きな虎は、同じルーツなのかも知れません。
しかし生きる環境も違いますし、体の大きさも違います。
それぞれの気持ちはわからないと思いますが、人間に置き換えると、責任のある立場に就くような大人物の気持ちは、一般庶民にはわからないことが多いと思います。
まとめ
猫と虎は、いわば親戚のようなものです。
だからこそ、その対比がことわざや慣用句に使いやすいのでしょうね。
猫を使ったことわざや慣用句は、あまり良い意味じゃないものが多いのは愛猫家の筆者としても複雑な気持ちになりますが、人間と身近な生き物だからではないでしょうか。