「談義の場の嫁謗り」という言葉の意味を知っていますか?
この言葉をはじめて聞いた人でも、何となくネガティブな意味を想像できるのではないでしょうか。
「談義の場の嫁謗り」の意味や由来について、解説します。
また、どのような使い方をするのか、そして類語についてもチェックしてみましょう。
「談義の場の嫁謗り」の意味とは
「談義の場の嫁謗り」の意味は、人の行動や言葉の矛盾です。
人間の言動の矛盾を表しているので、嫁謗り(よめそしり)とあっても、嫁という立場の人物に限定して当てているわけではありません。
「談義の場は嫁謗り」の由来
「談義の場は嫁謗り」が人の言動の矛盾を表す言葉になった由来とは、嫁姑問題という普遍的なテーマからです。
嫁姑はどんなに上手くいっているようでも、本音を明かせばお互いに文句や不満があるというのは、その立場になったことがなくても想像できますよね。
そういう嫁姑の関係を用いて、人の言葉や行動の矛盾を表現したわけです。
「談義の場は嫁謗り」の「談義の場」とは、お寺などに集まって善行や慈悲を説く説法の場のことです。
困っている人を救おうとする慈悲の心や、人を助けるような善行を積むことの大切さを授かるための場が「談義の場」です。
しかし、そのような慈悲の教えを説く場所に年齢を重ねた女性たちが集まると、話題はそれぞれの嫁への不満や批判ばかり。
善行と慈悲を説く場なのに、嫁の悪口が飛び交う場になってしまうのは、矛盾を感じます。
人間の言動の矛盾を教えるために、人々にわかりやすい嫁姑問題を用いたのでしょう。
「談義の場の嫁謗り」の使い方
「談義の場の嫁謗り」はどのような場面で使うのでしょうか。
例文で見てみましょう。
環境のために再生紙で作ったトイレットペーパーを使ってるの
私もそう
未来の子供たちのためにも、環境のことを考えるのは大人の責任よね
そんな会話をしながら、レジ袋は辞退しないし、ゴミはきちんと分別して捨ててないよね
・・・・・・
そういう矛盾を談義の場の嫁謗りって言うの
気を付けます
誰しも矛盾した言動をしてしまうことはあると思います。
そんな時は「談義の場の嫁謗り」という言葉を思い出してみましょう。
「談義の場の嫁謗り」の類語
「談義の場の嫁謗り」の意味に通じる言葉を探してみました。
「仕置き場の巾着切り」
「仕置き場の巾着切り」とは、どんな場所にも悪い人間はいるという意味です。
仕置き場というのは、処刑する場所です。
巾着切りとは、巾着を切ってお金を盗むスリのことです。
悪人を処刑する場所でも、スリをはたらくような悪者がいたのです。
悪事を罰せられる人を目の前にしても、盗みを堪えられないような救いようのない人物を表す言葉でもあります。
「談義の場の嫁謗り」のように矛盾を表す意味とは違いますが、談義の場でも嫁の悪口を言わずにガマンできないのが姑というものです。
場所を選ばすに悪口を言ったり、悪事を働くのが人間だという深い意味があるのでしょう。
「茶所は嫁謗り所」
「茶所は嫁謗り所」は「談義の場の嫁謗り」と同じ意味です。
茶所は、神社やお寺にある休憩所のことです。
神社やお寺に集まって、お茶を飲みながらのんびりとおしゃべりできるのは、嫁に家事を任せられるようになった姑たちです。
お寺にお参りに行く信心深さと、姑同士で嫁の悪口を言い合う姿は矛盾を感じます。
まとめ
人間の言動の矛盾を表すために、姑たちが集まって嫁の悪口を言い合う様子を使うほど、嫁と姑の関係は永遠のテーマなのでしょうね。
どんなに慈悲深い人でも、嫁のことになると別人になってしまうのかも知れません。
それが人の矛盾に重なるのではないでしょうか。