【あんぽんたん】とはどんな意味だった?語源は意外なものだった!

ことばの雑学

「あんぽんたん」といえば、「アホ」や「馬鹿者」と同じように使うのですが、何となく愛嬌のある表現に聞こえるのが不思議です。

しかし言われた方はそうでもないのかも?

嬉しいはずはない

そりゃそうだ

言われて喜ぶような褒め言葉じゃないのは間違いないですね。

でも「あんぽんたん」という言葉が今も使われるのは、使いやすさを皆が感じているからではないでしょうか。

「アホ」と言えば済むのにわざわざ「あんぽんたん」と表現するのですから・・。

なぜ「あんぽんたん」が生まれたのか、本来の意味や語源について掘り下げてみました。

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「あんぽんたん」の意味

あんぽんたんの意味は、さすがに辞書には載っていないのでは?と思いつつ引いてみると、ありました!

間が抜けていて、愚かな人の俗称

新明解国語辞典

世の中の認識と違いはないと思います。

「間抜けだな」とか「アホだな」というのと同じですが、前述のように少し軽く聞こえるので、相手を深く傷つけたくないときには使いやすいのかも知れませんね。

「あんぽんたん」の語源

「あんぽんたん」の語源を調べていると、主に2つの説に分かれていることがわかりました。

予想もしていなかった意外な語源説が、魚の名前です。

それは江戸時代(寛政1789~1801年)までさかのぼります。

この時代に、江戸に出回った見た目が奇妙な魚の名が「あんぽんたん」だったという説です。

奇妙な魚は、現代では唐揚げや煮付けにすると美味しい「かさご」のことです。

しかし当時の江戸では、体が大きいわりには身が少なくて食べ甲斐がないと言われていました。

そこから、なりがデカいのに中身がスカスカなことを「あんぽんたん」と言うようになり、それが間抜けな人を表す言葉になったという説があるのです。

この説は雑学本などにも書かれているため、かなり信じられているのですが、否定する説もあります。

「あんぽんたん」は「阿保+だらすけ(愚か者)」が混ざって生まれた「あほんだら」が転じた言葉で、上方(関西)から江戸に伝わったという説があります。

1764年ごろには、江戸でも広まったという説があり、魚の名前は逆にそこからつけられたのではないかと推測されるのです。

どちらが正しいのかはハッキリしませんが、魚の名前がなぜ「あんぽんたん」だったのかわからないので、あほんだらが転じて生まれた上方言葉の方が信ぴょう性があるような気がします。

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その他の説

「あんぽんたん」の語源は、他にも様々な説があります。

例えば、富山の反魂単(はんごんたん)という薬の名前が由来だという説です。

しかし、なぜ薬の名前が由来になったのかは定かではなく、単に音が似ているだけの推測ではないかと思われます。

他にも、荒らしで難破した外国船から流れ着いた外国人の名前が由来という説もありますが、これも定かではありません。

まとめ

「あんぽんたん」の語源は、阿保とだらすけという元々あった言葉から生まれた「あほんだら」がさらに変化したという説がもっともらしい気がします。

いずれにせよ褒め言葉でもないので、あまり使いたくはないですが・・。

ただ、個人的な感想では「アホ」や「バカ」と言われるよりも「あんぽんたんやね」と言われた方がショックは小さいような気がしますね。