【綸言汗の如し】とはどんな意味?由来や使い方について!

ことわざ・慣用句

綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)という言葉には、どんな意味があるのかわかる人はどれほどいるでしょう。

いろはかるたに使われることもあるので、言葉としては聞いたことがある人は相当数いると思います。

ですが、その意味や由来まで知っている人はそれほど多くはないようです。

「綸言汗の如し」の意味や由来、また使い方について解説しましょう。

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「綸言汗の如し」の意味

「綸言汗の如し」の意味とは

一度口から出してしまえば、訂正したり取り消したりすることはできない。

ということです。

汗が出た後に、体内に戻ることがないことをたとえとしているのです。

「綸言汗の如し」の由来

「綸言汗の如し」の意味は理解できましたが、一度口から出たことでも、誤りは訂正したり取り消したりできます。

一般社会では、誤りをそのまま放置し、訂正や取り消しをしない方が批判されます。

それなのに「綸言汗の如し」とは、厳し過ぎるように感じます。

ですが、「綸言」の意味がわかれば、納得できると思います。

「綸言」とは、君主のことばという意味です。

つまり、国を治めているような立場にある人が口に出した言葉は、取り消すことはできないというわけです。

もう少し詳しい由来を調べてみると、君主が命令を出した命令はその後に取り消すことはできないので、慎重に考えて号令を発するべきという意味なのです。

漢書の劉向の一説から引用されて、今に伝わる言葉です。

号令は汗の如し、汗は出て反らざるものなり

この一説が「綸言汗の如し」の由来になりました。

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「綸言汗の如し」の使い方

「綸言汗の如し」の使い方を例文で見てみましょう。

あの大臣、つい数週間前の記者会見で言ってたことと違うわよね

簡単にコロコロと変わるもんだよな

大臣なんて立場の人が、簡単に自分の発言を覆していいのかな

この国には「綸言汗の如し」の意味を知っている政治家はいないんだよ

だから政治家に不信感が増すばかりなんだよね

昨今の厳しい社会情勢では、家庭の中でもこのような会話があるのではないでしょうか。

国のトップになる人物には、ぜひとも「綸言汗の如し」を胸に焼き付けて欲しいものです。

「綸言汗の如し」の類語

「綸言汗の如し」と同じように、人々の上に立つ者の言葉がいかに重いものなのかを表す言葉は他にもあります。

「天子に戯言なし」という言葉は、同じ意味として使われます。

「天子」とは天皇のことです。

天皇は、冗談を言ったり、偽りを言ったりしないという意味です。

そして、それは天皇が一度口に出したことは、とても大きな意味を持つということを示しています。

この言葉が生まれた時代と現在では皇室に対する認識も違うので、あくまでも上の立場にある人物をわかりやすく伝えるために「天子」という表現を残しているのではないでしょうか。

偽りを言うのは良くないでしょうが、どんなに偉い人でも誰も傷つけない冗談なら構わないですよね。

まとめ

「綸言汗の如し」の意味を知ると、権力を持った人たちが簡単に発言を訂正したり取り消したりするのことが情けなく感じます。

人間なので、間違いはあるでしょう。

でも、責任を持って発言して欲しいと強く思いました。