「老いたるを父とせよ」ということわざは、年長者を敬う精神を伝えることわざとして古くから使われています。
ことわざの意味や使い方などを例文を用いてご紹介します。
「老いたるを父とせよ」とは
「老いたるを父とせよ」とは、
年をとった人は、父のように尊敬しなさい。
という教えの意味があります。
年長者に対して、尊敬するのは中国や韓国をはじめ、儒教の教えが根付いているアジアでは当たり前のことと考えられてきました。
だからこそ生まれたことわざです。
年をとった人には、自分の父親と同じくらい、尊敬の念を向けるべきであるという教えを伝えているのですね。
年長者に対する考え方から生まれた
「老いたるを父とせよ」とは、そもそも父親のことを尊敬できない子供に教えようとしても、理解できないと思います。
残念なことに、日本では父親の尊厳がどんどん失われているので、「父親のように尊敬?はあ?」と言われてしまうかも知れませんね。
ですが、このことわざが生まれたきっかけになった教えには、
自分よりも倍近く生きている人には、父親のように接しなさい。そして10歳以上年上の人には兄のように接しなさい。そして5歳以上年上の人には、肩を並べているように見せても、一歩後になって従うこと。
とあります。
「老いたるを父とせよ」の使い方
「老いたるを父とせよ」は、どんな場面で使えるのか、例文で説明します。
昨日さ、近所のおじさんが犬の散歩をしていてフンの始末をしないでそのまま行こうとするのを注意したんだよ。
すごいね、勇気あるな
だって、そんな最低限のマナーも守れないのはダメでしょ
そりゃそうだ。でも年寄りにはそういうモラルのない人多いよね
世の中のルールや常識が昔のままで止まっているんだと思う
なるほど。で、そのあとはどうなった?
すごい剣幕で逆ギレされた
え~、そんなの老害じゃん
そうでしょ。自分が間違っているのにさ。「老いたるを父とせよ」ということわざを知らんのか!だって
なんだよその人。
そういうモラルのない老人が増えているから、高齢者を素直に尊敬できないんだよな
「老いたるを父とせよ」なんてことわざを自分の都合の良いように使っているだけの老害だ
この例文での使い方は、「老いたるを父とせよ」の本来の意味としての使い方とは違いますが、今の時代ではこのような場面で使われることも想定されます。
まとめ
年長者を尊敬するのは当然のことなのでしょうが、年齢を重ねた高齢者たちも、若い人たちから尊敬されるような立ち振る舞いをしないとダメですよね。
「老いたるを父とせよ」の教えが抵抗なく心に響くような年長者になりたいものです。