皆勤賞とは学校や職場で休まなかったことを表彰する賞です。
休まずに学校に行くこと、休まずに仕事することを推奨した時代に始まったようです。
休まずにせっせと働いたことで、小さな国なのに経済大国にまで発展したのですから、皆勤賞はそんな時代には意味のあるものだったのでしょうね。
でも今はそうじゃありません。
働き方改革とか言って、政府も仕事の時間を短くして、働き過ぎないように社会を変えようとしています。
そのため、企業では皆勤賞という名目で手当を支給するようなことは少なくなっています。
しかし学校ではまだ皆勤賞があるのですよね。
廃止されている学校も増えているようですが、小学校では皆勤賞で記念品を手渡したりすることもあるのです。
それについて、賛否両論が沸き起こっています。
皆勤賞とは今でも必要なのか考えてみました。
皆勤賞に賛成する意見
皆勤賞があることに対して賛成している人たちの意見では、「休まなかった」ことに対して評価しているのではなく、努力に対する評価だから賛成しているようです。
学校を休まないように、日ごろから健康に気を配り、病気の予防に努めたことに対する評価だから悪くないということです。
うがいや手洗いなどの予防習慣をきちんと続けていることや、バランスの取れた食事、規則正しい睡眠など、病気を寄せ付けない身体作りに励んだことを表彰するのだから、悪いことではないという考え方です。
皆勤賞と通じることで、100歳を超えたご長寿の方に対して自治体がお祝いすることがあります。
これも長生きするために日ごろから健康に注意してきたことで、めでたく100歳を超えるご長寿を叶えたのでお祝いするという趣旨です。
要するに皆勤賞は健康管理を頑張ったご褒美ということなので、勉強で良い成績をおさめたりするのと同じく、評価されても良いということなのでしょう。
皆勤賞に反対する意見
皆勤賞に反対している人は、病気になるかどうかは、健康管理に関係ないことがあるのに、なぜ表彰されるのか理解できないということです。
たしかに身体のことは個人差があります。
生まれつきの病気もありますし、どんなに注意していても感染力の強いウイルスは学校生活では感染しやすいのです。
それに生まれつきの病気で、休まなくてはいけない子供に対して、平等ではないような感じもしますね。
さらに反対する人の意見には、皆勤賞が欲しいばかりに、ホントは具合が悪くても無理に学校に行って、それが原因で重症化したり、他の子供に感染させたりするなど、リスクを高めてしまうだけではないのか?という考え方です。
たしかに反対する意見には、うなずける部分が大きいと感じます。
皆勤賞が子供の評価に響くのか
皆勤賞を取らせたいために、親も揃って学校を休ませないように頑張っているのは、皆勤賞が進学に少なからず影響すると思われているからです。
実際に進学に皆勤賞が影響するかどうか確かめようがありませんが、受験の時に多少なりとも影響するのかも知れないと思えば、無理にでも学校に行こうとすることも考えられるのです。
皆勤賞がなければ、そんな無理をすることもないのですから、皆勤賞は要らないという声が徐々に大きくなっています。
感染力の強い麻疹や水ぼうそうや風疹などにかかったら、医師から許可が下りないと学校に行くことはできません。
休むことが悪いことだという風潮が色濃かった時代なら、進学の時に欠席数が影響することもあるかも知れませんが皆勤賞だから優遇されるというわけでもないようです。
まとめ
昔は、勉強があまり得意じゃない子供が唯一学校から表彰されるのが皆勤賞というイメージがありました。
元気なことを褒めるのはもちろん悪くないですが、休むことも悪いことではないはずです。
休まないことだけを取り上げて表彰することは、休むことに後ろめたさを感じさせることになり兼ねません。
皆勤賞とは、身体が弱い子供が悲しい気持ちになるためのものではないはずですが、晴れ晴れしく表彰される子供を悲しい思いで見ている子供もいることを忘れないようにしたいです。
皆勤賞は要らないと思っている人に、私自身は共感しました。
皆勤賞なんて、一度ももらったことないので、ちょっとヒガミも入っていますから、ご勘弁ください。