「疾風に勁草を知る」という言葉を聞いて、すぐに意味が理解できる人はどれほどいるでしょう。
まず読み方も、ちょっと難しいですよね。
「しっぷうにけいそうをしる」と読みます。
なかなか普段は耳にすることがない言葉ですから、わからなくても恥ずかしいことではないと思いますが、いい機会なので「疾風に勁草を知る」の意味を調べてみることにしました。
もしかして意味が理解できると、日常の会話で使えるかも知れません。
難しい言葉を知っているんですね
流石ですね、尊敬します
なんてことも・・あるかもです。
そんな機会がなくても、知っておいて損はないと思うので、よろしければチェックしてくださいね。
「疾風に勁草を知る」の意味
「疾風に勁草を知る」とは
困難や試練に遭遇してはじめて、その人の意志や節操の堅固さがわかる
という意味です。
疾風勁草と四字熟語で表すこともあります。
「疾風に勁草を知る」の語源
疾風とは激しい風のこと。
勁草とは強風などにも負けない強い草のことです。
「疾風に勁草を知る」という言葉は、古く中国で生まれました。
戦の中で、戦況が不利になると、次々に逃げ出す兵士の中で最後まで戦い抜いた人物に対して帝が言ったされています。
どんな状況になっても、決して裏切らない忠誠心を持つ人や、固い節操の人に対して使われる言葉になってのです。
戦のない社会に生きていても、困難な状況になると簡単に裏切ったり逃げる人っていますよね。
たぶん、我が身を大切に考えれば、誰もがそうなってしまうのが自然な流れだと思います。
ですが、どんな困難な状況でも固い信念で逃げない強い人も必ず存在するのでしょう。
「疾風に勁草を知る」の使い方
「疾風に勁草を知る」の使い方を例文で見てみましょう。
例文①
A先輩にヘッドハンティングのウワサがあるらしい。
Aさんは仕事ができるから、うちよりも良い条件に転職するのは当然だと思うよ。
うちが業績ガタ落ちだから、給料アップなんて望めない。
引き抜きがなくても、転職している人も出てきたくらいだからね。
それなのに、A先輩は誘いを断ってるらしい。
え?どうして?
どうやら、新入社員の時に大きなミスをした時にかばってくれた部長ヘ恩を感じているからだって。
すごいな、まさに疾風に勁草を知るだね。
例文②
友達だと思ってた人が、じつは友情の欠片もなかったと知るのは悲しいね。
あら、何かあった?
僕が家業を継がないと決めたら、友達がみんなよそよそしくなったんだ。
次期社長になると思ってたから親しくしてたんだね。
たった一人で起業するから、しばらくは貧乏生活も覚悟してたけど、まさか友達まで消えてしまうとは・・・
苦しい時こそ、人の本性が見えるものよ。
疾風に勁草を知るということを身を持って経験したわけね。
いい勉強になったよ。
苦しい時にもいなくならない人しか信用しないことにする。
「疾風に勁草を知る」の類語
「疾風に勁草を知る」と似た意味の言葉に「年寒くして松柏の凋むに後るるを知る」があります。
「としさむくしてしょうはくのしぼむにおくるるをしる」と読みます。
この言葉の意味は、寒い冬に植物の多くが枯れているのに、松や柏は緑を保っている様子が由来です。
ほんとうの強さは、厳しい環境になって初めてわかることだという意味の言葉です。
まとめ
「疾風に勁草を知る」という言葉は、意外と日常の中で使う場面があると思います。
人間の真価が見えるのは、平和で恵まれた状況ではなく、困難にぶち当たった時なのでしょう。
使う機会がない方が幸せなのでしょうが、そういう状況に遭遇した時には使ってみましょう。