鼬(イタチ)といっても、その種類はとても多いです。
水の中で暮らすラッコや、最近ブームになっているカワウソもイタチ科に属する動物です。
地上で生息する種類も多く、少し静かな市街地でも目撃されることもあります。
そんなイタチが使われることわざや慣用句がいくつかあります。
「イタチの道切り」もその一つです。
「イタチの道切り」とは
「イタチの道切り」は、
人との付き合いが切れる。
音信が途絶える。
という意味があります。
「イタチの道切り」の由来
「イタチの道切り」という言葉が生まれたのは、イタチという動物のある迷信が関係していると言われています。
イタチが目の前を横切ると、大切な人との縁が切れるとか、不吉なことが起こる前兆だという迷信もありました。
またイタチは、通った道と同じ道は二度と通らないと言われています。
その言い伝えが真実なのかは不明ですが、昔の人はイタチが同じ通り道を使わないと信じていたようです。
同じ通り道を使わないというイタチの習性から、人との縁が切れたり、音信が途絶えるという意味の言葉になっていったのです。
実際にイタチが前を横切ったとしても、不吉なことが起こるわけじゃないでしょうが、そういう迷信は沢山あります。
現在は、大切な人との付き合いが途絶えてしまうという意味で使われています。
イタチを使った言葉
イタチを使ったことわざや慣用句は「イタチの道切り」の他にもあります。
いくつかご紹介しましょう。
イタチになりテンになり
「イタチになりテンになり」とは、
とにかくいろいろな手段を試してみよう。
いろんな方法でやってみよう。
という意味です。
貂(テン)もイタチ科の動物です。
イタチの最後っ屁
「イタチの最後っ屁」とは、イタチ科の動物の多くが持っている特徴から生まれた言葉です。
あまり追い込んでしまうと、危険から逃れるために思いもよらない抵抗にあう。
という意味です。
また、最後に醜態をさらすという意味でも使われます。
イタチ科の動物ではスカンクが有名ですが、スカンク以外にもイタチ科は危険から身を守るために肛門の近くに悪臭を出す器官を持っています。
身の危険を感じた時の最後の手段として使うのです。
あまり追い込み過ぎてしまうと、思いもよらない方法で抵抗されるという意味で使われます。
イタチの無き間のテン誇り
「イタチの無き間のテン誇り」とは、
イタチの中でも弱小なテンにちなんで生まれた言葉です。
自分よりも強いものがいないと、急に態度が大きくなって威張り散らす。
という意味です。
まとめ
「イタチの道切り」は、今ではあまり使われることがありません。
イタチの習性や、イタチにまつわる俗説から生まれた古い言葉です。
消えてしまわないように、残って欲しいと思います。