【はくがつく】とはどんな様子を表している?語源や使い方を解説!

ことばの雑学

「彼ははくがついてきたね」とか「もう少しはくがつくといいのに」などと、その人物のことを表す「はくがつく」という言葉。

よく聞きますよね。

この「はくがつく」というのは、その人物のどのような様子を表していると思いますか?

ほとんどの人が「はくがつく」の「はく」からイメージするのではないでしょうか。

「はくがつく」の「はく」は迫力のことなんじゃないの?

私も人を圧倒させるような迫力のある人物のことだと思う。

きっと大多数が「迫力」を表すと思っているのでしょうが、じつは違うのですよ。

「はくがつく」の「はく」とはどんなことを表すのか、その語源について解説しましょう。

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「はくがつく」の語源

「はくがつく」とは、その人物の価値が上がることや、重みが増すという意味です。

この意味から語源を想像しても、やはり「迫力」だと思う人も多いでしょう。

ですが、「はくがつく」の「はく」を漢字にしてみると、「迫」ではないのです。

「はくがつく」を漢字にすると「箔がつく」なのです。

箔とは、金、銀、銅、錫、真鍮などをたたいて薄く伸ばしたものです。

「箔がつく」という言葉の語源は、金箔や銀箔などを貼ることで、物の価値が上がることが由来なのです。

工芸品や装飾品などに、金箔や銀箔がつくと、見た目のも美しくなりますし、価値がグンと増すのです。

そのことから、その人物が何かの分野で知識や技術を身につけると「箔がつく」という表現をするのです。

迫力ではなく、箔が語源ですが、話し言葉ではなかなか箔をイメージし難いのでしょうね。

「はくがつく」の使い方

「はくがつく」の使い方を例文で見てみましょう。

例文①

先輩もすっかりはくがつきましたね

嬉しいけど、まだぼくは未熟だよ

そんなことないですよ
後輩たちはみんな先輩を頼りにしてますから

みんなの期待を裏切らないように頑張らなくちゃいけないな

例文②

部下
部下

またライバル社に負けてしまいました

上司
上司

うむ・・・原因はわかってるのかい?

部下
部下

相手の担当者は僕より10年以上のキャリアがあるので、その差じゃないかと

上司
上司

確かに経験は財産になるからな

部下
部下

もっと勉強して、経験に負けないように頑張ります

上司
上司

君が自信をもっていれば、もっとはくがつくはずだよ

部下
部下

ありがとうございます

「はくがつく」を「迫力が増す」というような意味だと思っていると、使う場面も限られてしまいます。

迫力を表すのではないと理解できれば、幅広く使えるのですよ。

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「はくがつく」の対義語

その人物の価値が増すことを「はくがつく」と言うのに対して、価値が下がってしまうことは「はくが落ちる」と言います。

金箔や銀箔などで装飾して価値が上がったのに、それが剥がれ落ちてしまえば価値が下がります。

評判を落としてしまうことと、物の価値が下がることを重ねて「はくが落ちる」と言うわけですね。

まとめ

「はくがつく」の語源が金箔などの箔だとわかっていれば、迫力はなくても知識の豊かな人などに使えますよね。

漢字表記に変換すれば、語源がわかりやすいので、他の言葉でもぜ漢字変換してみるのも楽しいのではないでしょうか。