「そんなこと聞いてない!寝耳に水なんだけど」のように、不意な出来事に驚いた時などに使う「寝耳に水」という言葉。
あまりにも当たり前に使っていますが、よく考えると疑問に思う点があります。
いったい、どういう状態になると寝ている人の耳に水が入るのでしょうか・・。
とても驚く様子がよく伝わる表現だと思うのですが、どういう状態から「寝耳に水」という言葉が生まれたのか。
その語源について調べてみました。
「寝耳に水」の意味
「寝耳に水」の寝耳とは、眠っている状態の時の耳のことです。
人間の体の機能は、眠っている間でも完全に休んでいるわけではありません。
内臓も動いています。
耳の機能も、眠っている間でも働き続けています。
そうでなければ目覚まし時計の音も聞こえませんよね。
それでもやはり、起きている時のような機能ではありません。
「寝耳に水」とは、
出し抜けのことでびっくりする
という状態を表す意味があるのです。
「寝耳に水」の語源
「寝耳の水」は、「寝耳に水が入るごとし」を略した言葉です。
語源を想像しようとしても、寝ている人の耳に水が入る状況はわかりません。
誰かのイタズラか、それとも水辺で眠ってしまったとか。
ですが、そんなことではありませんでした。
「寝耳に水」の語源は、水=大水(洪水)と読み取ることで理解できます。
今のように、気象予報が詳しくわかる時代になっても、河川の氾濫などによる被害が毎年のように起こります。
それが天気予報もない時代となれば、急に水に襲われるようなものです。
「寝耳に水」の語源は、眠っているときに、水の音が聞こえてきたと思った時には、洪水が押し寄せることだったのです。
眠っているときに、河川が氾濫して水が押し寄せるなんてことが起これば、とても驚くでしょう。
心構えや準備もなく、突然襲ってくる洪水は、人々を驚かせる自然災害だったと思います。
「寝耳み水」とは、それほど不意な出来事に驚くという表現なのです。
最近では、「それは聞かされていない」とか「初耳」という意味で「寝耳に水」を使う人も増えています。
ですが、語源から考えると、とても驚いたときに使う言葉だったのではないでしょうか。
「寝耳に水」の類義語
「寝耳に水」と同じように、不意な出来事に驚くことを表す言葉に、「ふってわいた」があります。
天から降ってきたような、また地から湧いたような
ということです。
想像してなかったこと、思ってもみなかったことが、突然起こることを表す言葉です。
天から降り、地から湧くような事態が同時に起こるほど、思いがけないことを伝える言葉として使われています。
まとめ
「寝耳に水」という言葉の語源が、まさか洪水だったとは、知らなかったので驚きました。
軽々しく使っていいのか・・と考えてしまうような語源でした。
詳細な気象予報が当たり前になったことに、感謝しなければいけないですね。