網、呑舟の魚を漏らすということわざは、網や船、魚が使われているので、漁業に関係することわざなの?と思ってしまいそうです。
ですが、そんなに直球ではなくて、もっと深い意味があるのです。
網、呑舟の魚を漏らすということわざが伝えようとしていることを解説しましょう。
網、呑舟の魚を漏らすの意味
「網、呑舟の魚を漏らす」ということわざをそのままの意味で考えると、
網の目は粗すぎて、舟を呑み込んでしまいそうなほどの大きな魚すら逃がしてしまう・・ということです。
普通に考えれば、舟を呑み込むほどの大きな魚を逃すほどの荒い目の網なんてありえないことです。
このことわざが伝えようとしているのは、
法律などの決まり事があまりにも大雑把すぎて、大きな悪事を働いた悪人でも逃してしまう。
ということを伝えています。
法律を作る時には、あらゆる悪事を想定して作っているつもりでも、悪いことをすようとする奴らは、法の抜け穴を探しています。
今でもニュースで時々取り上げられますが、法律の抜け穴を探して、法に触れるかどうかギリギリのところで金儲けをしたりする人もいます。
どんなに完璧な法律を作ったつもりでも、抜け穴を探している人間はいるという注意を促す意味もあることわざです。
似ている意味を持つことわざ
「網、呑舟の魚を漏らす」ということわざと似ているのが、「網にかかるは雑魚ばかり」です。
このことわざが伝えようとしているのは、大きな獲物を狙っていても、実際に網にかかるのは獲物以外の雑魚ばかりという残念な状態をもとにしています。
捕まえたいのは大きな犯罪を犯す大悪人なのに、実際に捕まるのは小物ばかり。
強い権力を持っている悪人や、大金を持っている悪人は、それらの権力や財力で犯罪までも握りつぶしてしまうから、捕まることがないという世の中の矛盾を風刺することわざです。
たしかに、どう考えても「これはダメだろ」という人でも、堂々と嘘をついて言い逃れることが許されているのを今も見せられますよね。
森○学園とか加○学園問題とか・・。
最近では、「桜を見る会」の招待者の選び方などなど。
まさに権力や財力で、悪事をなかったことにできるという社会の歪みに対して、
「網、呑舟の魚を漏らす」や「網にかかるは雑魚ばかり」ということわざが当てはまります。
ことわざでは、網の目を法律と例えることが多いので、社会の仕組みを風刺するのによく網が使われたのでしょう。
そもそも、法律を作る立場になると権力を持つので、自分たちに都合の良い法律を作ることができるので、網の目から逃げたい放題なのでしょうね。
ズルい!!と言いたくなります。
まとめ
法律に触れるかどうかギリギリのところというのは、その抜け穴を見つけるだけの頭の良さがないと無理です。
ですが、そんなところにせっかくの頭脳を使わない欲しいものです。
頭の良い人に対する妬みみたいになってしまいましたが、ギリギリでビクつくよりも堂々とルールのど真ん中を歩いていきましょうよ。