「お転婆」と言えば、元気で活発な女の子をあらわす言葉ですが、ちょっと不思議に思いませんか?
といいますと?
女の子をあらわすのに婆という漢字が使われているからでは?
あ!そういえばそうですね
そうです、その通りです。
言葉として聞いているだけなら、いかにも活発な女の子を想像するのに、文字を見ると途端に「はて?」となってしまうのです。
考えすぎかも知れませんが、気になったことは調べておきましょう。
「お転婆」の意味
まずは皆さんが普段使っている「お転婆」という言葉の意味について調べてみました。
女性としてのたしなみをわすれてふざけて騒ぐ少女(女性)
出典:新明解国語辞典
国語辞典にはこのように書かれています。
「女性としてのたしなみ」ってなんなんですかね?
古い言葉だから仕方ないけど、現代では使いにくいですね、その意味だと
というようなことは、まずこの段階では置いておくことにして、意味としてはさほど遠くない解釈で使っている方が多いのではないでしょうか。
「お転婆」の語源とは
「お転婆」は幼い女の子や少女など、若年の女性に対して使うのに、なぜお婆さん(婆)という漢字が使われているのか謎ですが、そもそもお転婆の語源を調べてみるといくつかの説があるそうです。
諸説ある中で何が語源として正解なのかは、現段階で調べる方法は見つけられません。
ただ、いくつかある説のなかに、お婆さんは出てきませんし、誰かが転ぶという由来も出てきません。
有力だと言われている2つの説をご紹介します。
オランダ語由来
「お転婆」の語源を調べてみると、オランダ語が由来だという説が見つかりました。
オランダ語にオテンバールという言葉があります。
このオテンバールの意味は
「抑えがたい」「手に負えない」「不屈」「飼いならせない」など。
強い意志を持っている、情熱的な様子、精神的な強さをあらわす反面で、人の意見に耳を貸さないとか、アドバイスを聞かずに突っ走るよいうような意味もあるようです。
これがお転婆の由来になったのではないかというのが有力な説と言われているのです。
このオテンバールに当て字を使って「お転婆」になったという説は、オランダ由来の言葉が今も残っていることから考えると可能性はあります。
動物の馬由来
江戸時代に幕府が行事のためなどに使う馬の中に「伝馬」という馬がいて、元気いっぱいで言うことを聞かないこともあったとか・・。
そこから伝馬→お転婆になったというのも有力な説と言われています。
類義する言葉
お転婆はお婆さんが転ぶ様子とはまったく違う由来が有力と言われていますが、類義する意味の言葉に「じゃじゃ馬」というのがあります。
じゃじゃ馬とは暴れ馬のことを指しており、お転婆と同じように女性をあらわす言葉として使われています。
お転婆の由来に動物の馬の説があるところから考えると、現代よりもずっと馬という生き物の存在が大きかったので、言葉の由来になることも多かったのではないでしょうか。
まとめ
お転婆にしてもじゃじゃ馬にしても、活発で自由奔放な女性に対して使う言葉という共通点がありますね。
今のご時世で安易にこのような表現を使うのは、なかなかデリケートな問題です。
女性らしさとか男らしさというのが、もはや時代に合わないことを考えて言葉選びをしなければなりませんね。