【後釜にすわる】はどんな意味?何が語源になって生まれた言葉?

ことばの意味

「後釜にすわる」という言葉は、後任に就くこととして日常的に使われています。

「後釜にすわる」の意味として、前任者から引き継ぐこととして理解されているでしょう。

しかし、なぜ後任に就くことを「後釜にすわる」と表現するのでしょうね。

この言葉の由来、語源について解説しようと思います。

「後釜」について疑問に感じた方は参考にしてください。

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「後釜にすわる」の意味とは

「後釜にすわる」とは、

前任者が退いたあとに、その地位に就くこと。

という意味です。

一般的に理解されている意味と同じですよね。

ですが、「後釜にすわる」という表現は、どちらかと言えば批判や皮肉を込めて使われていました。

「○○さんの後釜にすわった人」と言われるのは、いい気持ちになれないものなのです。

なぜ批判的な表現となったのか、その理由は「後釜にすわる」の語源を知ると理解できます。

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「後釜にすわる」の語源

「釜」は、かまどにかける器具のことです。

ご飯を炊くためにかまどに釜をかけていた時代には、どこの家庭にもかまどと釜はありました。

かまどの火は、水をかけて消すわけじゃなく、自然に火が小さくなって消えていくので、釜を下ろしたあともしばらく熱い状態が続きます。

「後釜にすわる」とは、まだかまどが熱い状態で、次の釜を乗せることから生まれた言葉です。

つまり、前任者が退いて間もないうちにその座に就くことです。

前任者が退くのを今か今かと待っていたように、すぐにその座に就くことと、かまどが熱い状態で釜を乗せることにかけたわけです。

前任者の功績を後任者が自分の功績のように見せることもできるという意味でもあるのです。

そういう批判めいた意味を込めて「まんまと後釜にすわった」など、皮肉の表現として使われていたのです。

また、前任者が退くように仕向けて、自分がその地位に代ろうと策略するような人に対しても批判を込めて使います。

後妻や後添いは後釜ではない?

妻に先立たれたり、離婚して独身になった男性と結婚した女性に対して「後釜にすわった」と言うことがあります。

この使い方はかなり失礼になるので、くれぐれも注意した方が良いですね。

前妻が亡くなって間もない時期に後妻になったとか、前妻がいなくなるように仕向けた場合は「後釜にすわった」という表現が当てはまります。

ほんとにそういうカタチで後妻になったとしても、やはりそれを言われるのはいい気分にはならないでしょう。

ですが、面と向かって本人にそう言うのはダメですよね。

「後釜にすわる」という言葉に含まれるニュアンスを理解しておかないと、悪気なく使ってしまうので気を付けないといけません。

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「後釜にすわる」の使い方

「後釜にすわる」の使い方を例文で見てみましょう。

部長の後釜にすわることになったの誰か知ってる?

知らない、誰なの?

Aさんだよ。

どうして?部長代理でもなかったのに。

部長が関連企業へ出向になるように仕向けたらしい。

汚いことしそうだもんね、Aさん。

このように、批判する時に使うのが正しいのです。

あまり深く考えずに、後任者に対して「○○さんの後釜にすわった○○さん」などと上司に対して使ってしまうと、気分を悪くする人もいるので注意しなければいけませんね。

まとめ

ただ後任になるだけではなく、前任者が引退して間もなくその椅子に座る時の表現だったのですね。

そういう意味が込められていたとは知らずに、気軽に使っていたかも知れない・・という人は私以外にもいるのではないでしょうか。

これから気を付けましょう。