流石という言葉は使い方によって意味が変わるのが不思議!!由来は?

ことばの意味

流石と言うのは、褒める時や感動の気持ちを表現する時に使うだけじゃなく、多様な使い方をします。

流石という言葉の意味や由来について調べています。

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流石という言葉の語源

流石とうう言葉は、中国の5世紀から6世紀の時代の故事から生まれたと伝わっています。

孫楚という人が、隠居生活に入ろうと考えていることを友人に話す時に、枕流漱石(川の流れを枕にして、石で口をすすぐ)ように自然に囲まれて静かに暮らしたいと伝えました。

それを聞いた友人が、それは枕石漱水(石を枕にして、川の水で口をすすぐ)の間違いでは?と指摘します。

素直に言い間違いを認められない負けず嫌いの損楚という人は、言い間違いではなく、「石でうがいをするのは歯の汚れを磨くため、川を枕にするのは耳の汚れを洗うためだ」と頑固に言い張ったのです。

それを聞いた友人が、一瞬で言い間違いを正しいことだと言い切れる頭の回転の速さに感心したことが流石という言葉の由来になったと伝わっています。

由来から、流石という言葉の意味は矛盾を無理にでもとりつくろって正当化することが根底にあります。

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流石の意味①

流石をつけることで、お世辞や褒める言葉を強める印象になります。

例えば上司に対してお世辞を言う時に、「部長すごいですね」よりも「流石部長です、すごいです」と言った方がお世辞のパワーが強まります。

評判通り、期待していた通りで素晴らしいという意味でも「流石~」が感情を伝えやすくなります。

流石の意味②

流石という言葉は、こんな使い方もします。

例えば、

「自分は細かい作業を根気よく続けるのが得意だと思っていたけど、さすがにここまで細かい作業はできそうもない」とか。

これは自分だけは例外だと思っていてもそうじゃなかったということを伝える時の使い方です。

高齢者が「まだまだ若い者には負けないと思っていたけど、さすがに年には勝てないな」というのも流石という言葉の使い方です。

流石の意味③

流石には、頑張っても無理なものは無理・・という意味の使い方もあります。

無理難題を突き付けられた時に、「流石にそれはできません」と言います。

例えば、お店で表示されている価格よりも値引きしてもらおうと粘っていても、お店側がこれ以上の値引きをすると赤字になってしまう時などに「流石にこれ以上の値引きは無理ですよ」と言うことがあります。

この流石は、誉め言葉やお世辞とはかけ離れています。

不可能なことを伝える時にも流石という言葉が使えるわけです。

まとめ

使い方によって、まったく意味の違う言葉になる「流石」ですが、由来からはどんどん違う使い方に変化しています。

会話に強弱をつけるために使うことも多くなっているので、深い意味を考えずに使っていることも増えていますが、間違いではないようです。