「苦しい時には親を出せ」という言葉を聞いたことがありますか?
聞いたことがある人もない人も、意味は何となくわかるのではないでしょうか。
この言葉を使うのは、よほど苦しい時なのだろうと想像できます。
「苦しい時には親を出せ」はどんな時に使うのか、また類義する言葉も探してみました。
よく聞く言葉ですが、使い方を改めてチェックしておきましょう。
「苦しい時には親を出せ」とは
「苦しい時には親を出せ」とは、
言い訳に困って苦しい時には、親を引き合いに出して口実を作れ。
という教えの意味があります。
親を引き合いに出されると、世の中ではほとんど通用する言い訳になります。
ただし、親を引き合いに出して口実を作るからには、「親が病気になった」とか「親が倒れた」など、不測の事態が起こった場合じゃなければ通用しません。
親に不幸な出来事が起こったことを口実にするのは、子供としてはとても心が痛むことなので、簡単に親を言い訳に使えるものではありませんよね。
つまり、「苦しい時には親を出せ」とは、それほど困った時じゃないと使わない言葉なのではないでしょうか。
それに、親を理由にして言い訳をしてしまうと、本当に親に何か起こった時に同じ言い訳が使いにくくなるという問題も生じます。
何しろ、親は何人もいるわけじゃないので、言い訳として使うのは、どうしようもない場合に限られるのではないでしょうか。
「苦しい時には親を出せ」の使い方
「苦しい時には親を出せ」の使い方を例文で見てみましょう。
困った。
店長がどうしても週末に休ませてくれない。
週末はただでさえスタッフが少ないからね・・。
でも、どうして急に休みたいの?
じつは地元にいる彼女と連絡が取れないんだ。
それは心配だね。
地元の友達に様子を見に行ってもらったら?
連絡してもらったけど、わからないんだ。
それで地元に戻りたいわけだ。
うん。
遠距離だから毎日必ず連絡しているのにこんなこと初めてで、すごく心配なんだ。
そっか。
じゃあご両親のことを理由にしたら?
急病とか・・・。
うん、気は進まないけどそれしかないよね。
苦しい時には親を出すしかないでしょ。
そうだね。
今回だけはその方法で何とかするよ。
このように、どうしても無理を通したいのに通りそうもなくて苦しい時に親を理由にする時に使います。
「苦しい時には親を出せ」の類義語
「苦しい時には親を出せ」の類義語には、「叶わぬ時には親を出せ」や「切ない時は親」があります。
「叶わぬ時は親を出せ」は、どうしようもない時に親を口実にするという意味なので、まったく同じですね。
「切ない時は親」は、苦しい時には親を口実に使って難を逃れるという意味の言葉です。
また、「苦しくなった時に頼れるのが親だ」という意味でもあります。
親を口実に使えない商売
「苦しい時には親を出せ」のように、親を口実に使えば、ほとんどのケースで言い逃れられるし、苦境から抜け出せる言い訳になります。
たとえば厳しい上司に無理な休みをもらう場合でも、親の看病などを理由にされれば、許してくれると思います。
しかし、世の中にはどれが通用しない職業もあります。
たとえば舞台の立つ役者などは、親の死に目にも会えないと言われます。
舞台に立つ役者や芸人は、それくらいの覚悟がないといけないということです。
まとめ
「苦しい時には親を出せ」という言葉の意味とじっくり向き合ってみると、今まで何度も親を口実にして言い訳してきたことを思い出して、反省したくなりました。
それに、親を言い訳に使えるのは、親が元気でいてくれるからですよね。
この世からいなくなってしまったら、もう親を口実にすることもできないのですから。