「彼は職人気質だね」とか「彼女は繊細な気質の持ち主ね」など、「気質」という言葉を使うには2つの読み方を使い分けていると思います。
「かたぎ」と「きしつ」は同じ字を使いますし、意味もあまり違いはないように感じるので、その場の雰囲気で何となく使っている人もいるのではないでしょうか。
私もそうなので、今回は「かたぎ」と「きしつ」の違いと使い分けるポイントについてまとめてみました。
「かたぎ」なのか「きしつ」なのか「気質」の読み方に迷うことがある方は、ぜひチェックしてみてください。
「気質」を「かたぎ」と読むのは
「気質」を「かたぎ」というのは、個人としての性格の質ではなく、その人が属している職業や階層や集団を示す言葉として使います。
職人気質(しょくにんかたぎ)とか江戸っ子気質(えどっこかたぎ)などはよく聞きますよね。
職人と呼ばれる人たちは、黙々と作業して、熟練の技を磨いているようなイメージがあります。
また、江戸っ子はチャキチャキとした物言いで、せっかちで喧嘩っ早いようなイメージがあります。
そういうグループとして見た時に「気質」を使う時には「かたぎ」なのです。
「学者気質」や「芸術家気質」は、「きしつ」と読む人が多いのですが、学者も芸術家も職業なので「かたぎ」が正しいのです。
もともとは「形儀」や「形気」を使っていたようですが、現在は「気質」が一般的になっています。
「気質」を「きしつ」と読むのは
「気質」を「きしつ」というのは、個人のことを表す時です。
気質(きしつ)の意味を調べてみると、
先天的な体質に関係のある感情や性格の質
とあります。
生まれつきの体質による感情や性格のタイプとは?
理解するのが難しくなります。
わかりやすく解釈すれば、生まれつきの性格ということなのではないでしょうか。
色々な経験をしながら変化していくものではなく、幼いころから「あなたはホントに○○よね」のように周りの大人たちから言われてきたような性格のことを「気質」というのです。
ただ、現在は「先天的に」とか「生まれつきの」という意味合いは薄れてきて、個人の性格に対して使うことが多くなっているようです。
「気質」の使い方
「気質」の使い方を「かたぎ」と「きしつ」でそれぞれ見てみましょう。
「かたぎ」の例文
町内会の集まりでまたAさんとBさんが言い合いになって、困ったもんだよ。
あの2人は犬猿の仲なのかしら。
Aさんがとにかく気が短いんだよ。
あの人は浅草生まれでしょ?
江戸っ子かたぎなのよね。
「きしつ」の例文
ネチネチと課長に嫌味言われてたけど大丈夫?
うん、大丈夫。
心配してくれてありがとう。
私だったらキレちゃうかも知れない。
そうなの?
そうだよ。
あなたはホントに温厚なきしつだから。
人に対して怒ったりしないの?
あまり怒らない。
だって怒ると自分が疲れちゃうから。
あなたみたいな穏やかなきしつになりたいわ
まとめ
「気質」を「かたぎ」と「きしつ」で使い分けるポイントは、意外とシンプルだったのですね。
集団として括れるのなら「かたぎ」、個人のことを指すのなら「きしつ」とおぼえておきましょう。