【大男の殿】とはどんな意味?誤用されやすいのはなぜ?

ことわざ・慣用句

大男の殿(おおおとこのしんがり)という慣用句を聞いたことがありますか?

聞いたことがある方は、その意味をすぐに理解できたでしょうか。

はじめて知った方は、大男の殿という文字だけを見て、どんな意味だと思うでしょう。

大男の殿は、意味を勘違いされやすいので、正しい意味をご紹介しましょう。

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「大男の殿」とは

「大男の殿」とは、

体ばかり大きくて、どんなことも素早くできず、人より遅れを取ってしまう。

という意味です。

体の大きな人のことをあざける時に使う言葉ですから、言われた人は良い気持ちにはなりません。

体が大きいと、動きが鈍く見えるため、馬鹿にされることがありますが、それは昔から同じなのでしょうね。

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「大男の殿」の意味が勘違いされる理由

大男の殿(おおおとこのしんがり)の意味を、「大きくて強い人が後ろ盾になってくれる」というように勘違いされることがあります。

その理由は、殿(しんがり)の意味から想像するからだと考えられます。

戦国時代を描いたドラマや映画では、戦の場面で「しんがり」という言葉が出てきます。

「しんがり」とは、最後尾のことで、敵から後を追われる恐れがある場合は、最後尾は命がけの役割です。

「しんがりはお任せください」と名乗り出る武将は、勇ましくて強いイメージがあります。

そのことから大男の殿(おおおとこのしんがり)は、強い人が後ろを守ってくれるという意味だと勘違いされるのです。

「大男の殿」に似ている言葉

大男の殿のように、体の大きな人をからかったり、あざけるような言葉は他にもあります。

よく知られているものを見てみましょう。

独活の大木

独活(うど)の大木は、体の大きな人をからかう言葉として、おなじみですよね。

この言葉の由来は、独活の特徴にあります。

独活は、見た目にはカタい木のように成長するけれど、柔らかいので木材として使えるものではありません。

そのことから、大きな体だけで使えないという意味なのです。

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大男総身に知恵が回りかね

「大男総身に知恵が回りかね」とは、体が大きな人をあざけった川柳として知られています。

体が大きいと、隅々にまで知恵が回らないから、何をしても愚鈍だという意味なのです。

体が大きいだけで、こんなにひどいことを言われるなんて、気の毒になってしまいますね。

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まとめ

体が大きな人に対して、かなり厳しい表現が多いのに対して、小柄な人をあざける言葉は少ないのが不思議です。

体が大きいと目立つからなのかも知れませんね。