【槍玉に上げる】ということわざはどんな意味があるの?

ことわざ・慣用句

「槍玉に上げる」というのは、今でもよく使われることわざです。

どんな意味があり、どんな場面で使われるのか、ほとんどの人は理解していると思います。

ですが、何となく理解していても、ハッキリと説明できるのか?というと、曖昧な感じなのでしょう。

そこで「槍玉に上げる」の意味や使い方を解説します。

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「槍玉に上げる」とは

「槍玉に上げる」とは、

大人数の中から、とくに選び出した人に対して、集中して攻撃したり非難すること。

という意味があります。

もしも自分自身が「槍玉に上げられる」ような立場になったら、とても嫌ですよね。

集中的に非難されるなんて経験は、できればしたくないものです。

「槍玉」とは

「槍玉に上げる」ということわざは、「槍」という武器が入っているので、攻撃に関する意味というのはわかりますよね。

では、「槍玉」とはどんな意味があると思いますか?

「槍玉に上げる」の「槍玉」とは、長い槍をまるでお手玉を自由自在に操るように使いこなす様子です。

長い槍は、相手との距離を保ちながら戦えるというメリットがありますが、それだけに扱いが難しい武器です。

戦国時代には、槍を使いこなす武将が活躍したという歴史的な逸話は数多くあります。

その中でも、槍をお手玉のように操れる人はそう多くはいなかったでしょうね。

「槍玉に上げる」の由来

「槍玉に上げる」は、大勢の中から選び出して攻撃するという意味ですが、この表現が生まれたのは、やはり戦に関係しています。

徳川幕府になり、領地を争った戦がほとんどなくなるまでの間は、何百年も各地で戦が繰り返されてきました。

戦国時代までの戦は、大勢が一気に戦うことが普通でしたが、中には敵の大将の首を狙って奇襲攻撃をかけることもありました。

有名なのは桶狭間の戦いです。

今川義元の陣に奇襲攻撃をかけた織田信長は、少人数
なのに戦に勝ちました。
それは、敵の大将の首をとったことで、敵陣の戦う気力を失わせたからです。

当時の戦では、敵の大将や有力な武将を倒した時に、その首を槍に刺して高々と上げて、戦の終わりを宣言しました。

その様子から、1人だけを集中的に攻撃する様子が「槍玉に上げる」の語源になったと考えられています。

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「槍玉に上げる」の使い方

「槍玉に上げる」の使い方を例文で見てみましょう。

こと子
こと子

この前ね、友だちのツイートが炎上したの

またどうしてそんなことになった?

こと子
こと子

混んでいる電車の中で赤ちゃんが泣いててさ、押されてかわいそうだと思ったらしい

うん、うん

こと子
こと子

それで、「赤ちゃんを乗せるなら時間帯を考えないとかわいそうだ・・」みたいなことをつぶやいたのよ

ああ、それでね

 

こと子
こと子

わかるでしょ。

「そんなこと言っても、家の近くの保育園に入れない人はどうするんだ!」
「どうしても外出しなければいけない時だってある」
「そもそも赤ちゃんを乗せてはいけない時間帯が決まっているのか?」
こんな感じの批判が集まって、どんどん拡散されて集中砲火を浴びてた

 

悪気はなかったんだろうけど、そういうのって槍玉に上げられやすいよね

こと子
こと子

慌ててアカウント削除してたけど、槍玉に上げる人たちってすごいから、スクショでまだ拡散されてるよ

怖いなぁ。気をつけようっと!

今の世の中は、現実的な世界よりもネット上の人間関係で「槍玉に上げる」ことがあるので、無自覚のうちに人を追い詰めていないかどうか、自分自身でも気をつけたいですね。

まとめ

「槍玉に上げる」ということわざの意味を解説しました。

恐ろしい戦の様子が語源になっているので、やはり怖いですよね。

槍玉に上げられるようなことにならないように生きるのが難しい世の中になっているので、SNSを使う時などは、気をつけましょうね。