【お味噌汁】と【御御御付】は同じものではないの?違う点は?

ことばの雑学

お味噌汁は日本食の名脇役です。
脇役どころか、主役級だと思う方もいるでしょうね。

お味噌汁は日本各地で様々な特色があります。

出汁のとり方、使用する味噌の種類、具材など、地域性が楽しめるのもお味噌汁の特徴でしょう。

さて、そのお味噌汁には、もう一つの呼び方があるのを知っていますか?

それは「御御御付」です。
「おみおつけ」と言います。

味噌でもなく、汁でもない御御御付とは、お味噌汁とは違うものなのでしょうか。

その違いや語源について解説します。

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お味噌汁と御御御付の違い

お味噌汁は、かつおやいりこなどからとった出汁に味噌を溶いた汁物のことです。

お豆腐やわかめ、ねぎなどの具材を入れるのが定番ですね。

赤味噌、白味噌、信州味噌、田舎味噌、合わせ味噌など、使用する味噌は地域や家庭によって違います。

具材も魚を丸ごと一匹入れるとか、地域性によってバラエティに富んでいます。

では御御御付はお味噌汁と違うのでしょうか。

その答えは、同じものです。
違いはとくにありません。

高級な料亭などのお品書きに「御御御付」などと書かれていることがあるように、お味噌汁を丁寧に表現したのが御御御付なのです。

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御御御付の由来とは

お味噌汁のことを御御御付と呼び始めたのは、宮中からだと言われています。

宮中で天皇の身の周りのことをお世話している女官たちが使い始めたのが、御御御付の始まりだと言う説が有力です。

宮中では、主食に付ける汁物として「御御御付」と呼んでいました。

主食に付くものという意味だったのですね。
それを丁寧に「御」を3つもつけて呼んでいたのです。

それが一般に広まるまでは長い時間がかかったのでしょうが、味噌汁が日本の食卓に広く定着するまでに、宮中で呼んでいた汁物の呼び方が一般にも使われるようになったわけです。

また、普通のお味噌汁よりも具材が多いものを御御御付と呼ぶという説もありますが、とくに具材で区別することではないようですね。

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味噌はどこで生まれた?

味噌は日本古来の食材というイメージがあります。
日本の風土が発酵食品である味噌作りに適しているので、てっきり日本発祥だと思ってしまいそうです。

ですが、味噌のルーツをさかのぼると、やはり中国から伝わったようです。

味噌が日本の伝わった当初はとても贅沢なものでした。
そのため、口にできるのは高貴な方だけでした。
食べられるようになった当初は、汁物に使うものではなく、食べ物につけたり、そのまま食べるものでした。

お味噌汁という汁物が広まったのは鎌倉時代以降だと言われています。

はっきりとわかっていないのですが、平安時代の書物には、味噌という食品が登場しているので、平安時代にはすでに日本で味噌という食品は存在していたのでしょう。

味噌作りが盛んになったのは、室町時代だと言われています。

戦国時代には、味噌が保存食として活躍したと伝わっています。

徳川家康の出身地である岡崎では、八丁味噌という赤味噌が現在も作られています。
家康公が長生きしたのは、この味噌のおかげだと言われているほどです。

ところが、江戸に徳川家がお国替えになったのに赤味噌が江戸の庶民に根付かなかったのか、関東では赤味噌はほとんど見られません。

スーパーの味噌コーナーで探しても、1種類置いあるかどうか・・という感じです。
家康公は赤味噌がもっと広まって欲しかったでしょうね。

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まとめ

お味噌汁と御御御付は、ただ呼び方が違うだけで同じものでした。

丁寧に表現したい時には、御御御付と使い分けるのも良いかも知れませんね。

ただ、文字だけ見てしまうと、なんだかクスっと笑いたくなってしまいます。

「御」を3つの付けるなんて、よほど丁寧に伝えたかったのでしょう。